今年も稲刈りが始まりました。気になるのは「猛暑」あり「長雨」天候下で栽培されたコメの出来。天候はなかなか人の力では操作できません、できるのは土壌管理と栽培管理。5月6月上旬と雨は少なかったものの目立った渇水はありませんでした。

今年私が技術のご指導をさせていただいた農家、今年初めて取り組む水田でしたが(自分で言うのもなんですが)見事な出来、穂の長さ(専門用語でいう1茎当りの粒数)が全く違います。 米の収穫量は株数(単位面積辺りどれだけの株があるか)×分けつ数(株からどれだけの茎が出ているか)×粒数(茎からどれだけの米粒が実ったか)×粒重(米粒の大きさ)で決まります。
この水田は本ブログでも何度か紹介しました、有機肥料で効きが遅い分も割の水田から初期生育で劣っていました。7月下旬で追いつき8月で逆転します。

7月までははるかに生育が勝っていた周辺の水田より穂の長さ、重量感が全く違います。稲作はコメの収穫、ワラの生長ではないとこの時期になるとつくづく思います。

そして稲作技術の決め手は今にも倒れそうなイネ、このへんの技術の解説は難しいのですが、イネが倒れるのは穂が重いのではなく節の間隔が長くなって折れやすくなることイネは竹などと同じ科本科植物、節があって成長します。 肥料を少なくすると節の間は短くなり、米は倒れませんが栄養が「実」つまりコメに行かず実りが少なくなります。逆に実に栄養を届けようとすると茎や葉が徒長して倒れてしまいます。この紙一重の栽培がコメ作りの真骨頂です。
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