早いもので、台風の水害から1週間。福島県内では仮の復旧作業も進んで日常の生活が戻りました。戻った日常が「除染」と言うのも何とも悲しい日常ではありますが。

もっとも除染も日常の一部のようなもので、雨で相当流出もしたのでしょうが、一度決めた予算と工程は変えるには、また相当の手間ひまとエネルギーが必要です。 アジアモンスーン地帯で火山国で四方が海、気象災害が多い日本では自然災害慣れしているところがあって、危機管理や緊急的な初動も行政システムに組み込まれていて、それなりの機能を果たします。ところが「役所の宿命」と言うか、前例のない事態に遭遇すると何とも身動きがとれなくなります。 その例が原子力災害、「絶対安全」で危機管理自体がタブーであったため、初動も中期・長期対応も全く杜撰。

福島県の基準地価の上昇率は全国一、避難者の不動産購入需要や除染・復興事業などで事業が好循環して県内景気を支えているからとのこと。避難者が土地を買うと言うことは、「もう帰りません」の意思表示で、となると旧避難地域での商業サービス業が成り立ちにくくなります。公共事業の仕事など一過性のもので、歴史的にも「金の切れ目が縁の切れ目」で終わってしまえば元の木阿弥になることが多く、除染に立っては事業の後「インフラが残る」ような仕事ではなく逆に何も残らないようにするのが業務。 そこで身につけたノウハウにしても、今後はそのような事が無いようにしなければなりません。何とも悲しい地価上昇、そして福島の繁忙です。
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