福島の桃の主力品種は早生系で「暁星」、中生で主力の「あかつき」「白鳳」、旧盆過ぎの晩生品種で「川中島白桃」「ゆうぞら」。
関東甲信は19日で「梅雨が明けたとみられる」以前の言い方だと「梅雨明け宣言」。たった三日前に遭遇した甲信の雨量による中央線の不通、足止めは何だったんだろうと思います。天候による紙一重の「運・不運」はせん無いことではありますが。

例年より、1週間は早いのですが春以来の好天で早生種「暁星」の収穫が始まりました。JAの共同出荷ではなく、「腕」つまり栽培技術=味覚に自信のある農家が、自前の選果装置を入れ、自分の名前で販売しています。産地直送で見かける段ボール箱に〇〇果樹園、△△農園などと印字されたもの。 手前の台が計量台バネになっていて、計量した重さに合わせて回転台のポケットに転がります。「この装置いくらら掛かった?」今度聞いてみようと思います。

この地域は観光コースや主要幹線道路からは外れていて、通行客相手の販売は出来ません。しかしJAなど青果市場の販売だけでは価格が安定しないので、親戚知人への縁故販売から始めて、口コミで販路を広げながら売り上げを伸ばしてきました。
ところが、降って湧いたようなセシウム騒動。山の彼方、太平洋岸の事故の余波を受け、いくら測っても「不検出」にも拘らず口コミからのリピーターは無論のこと、縁故の需要さえ戻り切りません。「子供がいる」「嫁が嫌がる」と言われると返す言葉がないようです。 遠隔地での福島の情報は、研究者の報告によると「4年前毎日のように報道されていた事故直後の印象のまま固定してしまった」と言います。たまに伝えられる情報は、「漏れていたが公表しなかった」「作業員がタンクから落ちて死んだ」「井戸から高濃度の汚染水が出た」「漁民が怒った」ネガティブなものばかり。

収穫が終わった果樹園のアルミシートは剥がされて次の果樹園に、太陽光の反射で桃を下からも光を当てます。日々の苦労をあざ笑うかのように「苦労の特殊販売」桃のシーズンに入って行きます。
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