田んぼにも個性や表情があります。田植えから約1か月、風で水田にさざ波が立つと、水の中に消え入りそうだった苗もずいぶん力強くなりました。 そしてその育ち方にも個性があります。

こちらの稲は葉の色も濃く一見順調そうです。専門用語では「初期生育が良い」「分けつが取れてる」などと言います。全面的に悪い出来とは言いませんが、人間で言えばやや肥満気味と言ったところでしょうか、時期からすると「小児肥満」。

こちらの水田は先のところから見ると、なんとなく頼りなげに見えますが健康的な育ち方です。今の時期はこれくらいの育ちで十分これからのひと月か一か月半で見違えるように伸長します。何より病害虫に強い育ち方です。隣の稲が繁茂しているとつい肥料を与えたくなるのですが、稲の生育にもステージのようなものがあって、あと一か月は我慢。もちろん土に肥料が含まれていればですが。
初夏のころは後れを取っても、盛夏過ぎから驚くほど生育がよくなる「秋勝り」が上手な稲作の秘訣。稲作だけにとどまらない「勝ち方のセオリー」のようのもの、最初から飛ばさず力をつけて後半勢いに乗る。ところがこのところの農業事情、「上手な稲作」の元気がありません。
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