たまに通る場所に、「絆」と書かれた避難者のサロンがあります。元はラーメン屋、居ぬきで富岡町の避難者が集うサロンになったようです。このへんに富岡からの仮設住宅があるとも聞かないのですが、何せ非常事態、散り散りに逃げた避難者が、また任意の1か所に戻り仮設で暮らすなど至難の業、「落ち延びた先々で独自のコミュニティ」と言うことになります。

町の予算でサロンの設置したのか、東電の支援なのか、環境省・復興庁の事業なのか。まさか「有志の寄付に因り」と言うことはないでしょうが。ところが利用を見ることはほとんどありません、秘密結社のように隠れて集うこともなさそうなので。

一方、避難者はと何の関係もありませんが水田で雑草を取る女性。米の値段が低迷して「水田の耕作放棄」が続き、栽培の大型化に進まざるを得ない(それで解決できる単純な構図でもないのですが)現在の稲作。 田に入って手で草を取るなど、生産性や合理化の観点からは「ありえない」作業になるわけですが「自分で食べるものは自分で手に掛ける」というのは、非常に分かりやすく精神状態にもよい仕事です。
避難者の全員が、とは言いませんが「故郷に戻って」田や畑で食べる分の野菜やコメを作る。今までものような生活をしてきた人々にとってそれが最も落ち着く暮らしなのでしょう。サロンを作った、慰謝料を払ったで済む問題ではなさそうな気がします。
スポンサーサイト
|