そろそろ、さくらんぼも最盛期に入ります。写真のさくらんぼに青いフィルターがかかるのは、ハウスに掛かる青い網の外から写すからで、鳥避けあるいわ盗難避けの意味もあるかも知れません。

果樹全般に言えるのですが、見ていてきれいな農産物です。主力の果樹としては前年晩秋のりんご「ふじ」以来の果実、半年ぶり、というのがまた「きれい」に見える所以かもしれません。
福島県内、特に福島市や伊達市に立地する「さくらんぼ園」は市場出荷と言うよりは、観光果樹園や直売の比率が高くなります。むろん主力産地の山形県も多くの観光果樹園がありますが、さくらんぼ生産量と言う「分母」が違うので比較になりません。
放射能災害以来、観光果樹園は「農業」か「サービス業」かで議論になりました。農業で市場出荷した場合は放射線量が基準値以下の場合は、買いたたかれても価値はゼロにはなりません。基準値を超えた場合はそもそも売れないので価値はゼロ+廃棄費用と言うことになります。観光果樹園の場合は来客がないと売り上げゼロでだからと言って固定費が減るわけではありません。シビアな事を言えばサクランボ狩りをしたい例えば首都圏からの観光客は、山形のサクランボ園に行けば良い訳で、本当に困るのは福島県の観光果樹園と関連する業種(レンタカー、付近の外食など)。

観光農園を開業している方々の話では、東京電力は「被害にあわれた皆様の実情に寄り添い」という建前は言うものの、被害の実態を理解しようともしないと怒っていました。聞くところによると、補償相談室(だいたい「賠償」といわず「補償」と言うのが姑息との言っていましたが)に行くと、書類様式の記入説明だけ「被害の実態は東京で判断します」と言うことです。生産・販売・サービスと入り組んだ被害実態が東京で分かれば「千里眼」と言っていた通り、現地の実情から見れば荒唐無稽の「判断」を下してくるそうで、福島の観光客は戻りつつあることを理由に観光果樹園の売り上げの低下を気象要因など別な要因にすり替えるのだそうです。 このところの好天に助けられて、さくらんぼは順調・豊作、また観光果樹園と「千里眼」との押し問答は続く様です。もっとも別の観光果樹園に聞くともっと怒っていました、「売上を別会社に付け替えて売り上げ減少を装っているのではないですが」と言われ、これには怒りの震えが止まらなかったそうです。
スポンサーサイト
|