早い季節の到来に驚いていたら、今度は初夏を通り越して夏のような気温になりました。 全国的に最高気温は「浪江町」の32度、まだネットでは「この浪江の高温は原発事故の影響か」などの書き込みがあるかも知れません。浪江は放射能の影響を受けすっかり有名になりましたが、もともとは原発立地はしておらず3度の水蒸気爆発の、何回目かでたまたま風下、あるいは放射能を含んだ気流の通過時に雨で落下した、などの要因で被災した最近使われている言葉で言えば「もらい事故」のようなもの。

浪江を通り国道六号線に抜ける「福浪線」が放射線量の関係で不通になっていることもあって、急ピッチで建設は進む高規格道路「除染廃棄物運搬道路」と揶揄されてはいますが、ここでは「復興の大動脈」と書いておきましょう。 掘ったトンネルも改めて見ればいつの間にか新緑のなかです、さすがに山桜も散り終えたようです。

福島盆地から見て東側が太平洋、つまり原発立地地帯で甚大な津波被害もあったエリア。西が会津方面、原発事故現場からするとからり離れていて、しかも2つの山地・山脈を挟むため線量も上がりませんでした。しかし、米どころにして観光地風評被害の方が甚大です。ここの食品メーカーの社長が要人を前にして「あんたら水俣湾の魚を喜んで食うか」と風評被害を表現した話は有名です。 福島盆地と会津を隔てる吾妻山、吾妻小富士の残雪「雪うさぎ」も、このところの高温の影響でずいぶん痩せてきました。やがて、首と胴が分かれ山肌に消えると本当の初夏が来ます。

果樹の花の最後を飾る「さくらんぼ」ももう終わり、ただし「実」の方は近在の果樹ではさくらんぼか最も早い収穫です。こちらも根強い風評被害、市場に出さず「個人ブランド」「差別化」で売ってきた農家ほど影響が深刻です。
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