農家をお訪ねすると、いろいろな苦労話を聞くことが出来ます。先日NHKのローカルで、農業の先進事例として取り上げていたJAのある須賀川市。農家に聞けば「さほどでも」と素気無い対応でしたが。

冬野菜の収穫を終え、温室内を整地してこれからの作付を始めようとするところ、地面の上になりやら転がっています。聞くと「木くず」、確かに大工さんが掛けた鉋(かんな)屑のよう。 これから温室を閉め切って、密封性を高め(もともと相当の密封空間ですが)木くずを燻して煙を充満させるとのこと。それによって土の害虫を退治する目的だそうです。燻蒸防虫剤と言うのはありますが、鉋屑で防虫するというのは初めて見ました。温室内は害虫が寒さでで凍死することがないので、春以降爆発的に増えることがあります。 考えてみれば究極の「低コスト」そして「無農薬」農業は色々な創意工夫のうえで成り立ちます。たしかに、農薬を売りたいJAでは教えてくれません。

近隣の別の生産者、これまで私設の直売所を開いていました。鮮度で遠くからの買い物客も集めていましたが原発事故以来、地元産の農産物を買い控える人が多く売上が回復せず閉店。農家のお手伝いをしながら再起を期しているそうです。原発事故から4年たっても悲喜こもごもの状態が続きます。 先ほどの害虫燻蒸の農家も、有機減農薬を求める客層ほど「福島産を避ける」ことが明白になる現状で、ひたすら遠い春を待ちわびています。
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