「汚染雨水が外洋流出」との報道がテレビ・新聞で駆け抜けました。これでまた、風評被害の解決が遅れると漁業関係者の怒りのコメントも同時に報道されます。
ところが問題は、その週出もなることながら東電は昨年4月に事実を把握しながら公表してこなかったこと。考えてみれば4年前の事故以来ダダ漏れ状態だった汚染水、いまさや2号機の雨水云々は全体量から見れば大した量ではありませんが、東電によると「原因究明、対策を優先させた」と言いつつ、要は「また隠ぺいか」と思わせる事実が明らかになったこと。
つまり、漁業・農業・食品産業等が「いわゆる風評被害」の払拭ということで、懸命の努力の最中に事故加害者たる東京電力の隠蔽体質が見え隠れすると、事故被害者の自助自立に向けた努力が「吹き飛ぶ」と言うことになります。

汚染水が内陸の農業とどう関連があるのかと言うことになるのですが、「東電は都合の悪いことは隠す」と言う体質が明らかになると「もっと隠している可能性ががありますよね」と一般の人が思うのは当然です。 どこから財源が出ているのかわかりませんが、お米の「天のつぶ」はじめ福島県産の農産物のさかんなPR活動すら逆に消費者懸念を煽ることにもなりかねません。
事故前はめったに見かけなかった果樹園の廃業も目につきます。果樹農家が永年かけて培ってきた「果実の個人販売」の回復がはかばかしくないと聞きます。 永年のお付き合いで「おいしいのは分かっているが」福島産を他人に贈るのはどうも、と言う消費者心理が「東電の隠蔽」が輪をかけます。

抜かれた果樹の根、切られた果樹の幹が至る所に見られる様になりました。重機で抜根しチェンソーで輪切りにするのは1日で済む仕事でも、何年もかけた苦労の農作業の全てがそこで終わります。 ちょいと東京電力、魚業関係者にだけ謝れば済む話ではない。県も形式的なクレームばかりでは済まない、もっとも新知事は事故直後放射線量の放出データを出さなかった人ではありましたが。
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