雪の果樹園、りんごのふじの出荷もほぼ終わり、気の早い農家では「剪定」作業も始まります。木が休眠中の肥料散布もあるのですが、思いもよらず早い雪に、雪上でもできる「剪定」作業に日程のシフトがされて行きます。

剪定とは今シーズン(木の伸長期)に伸びた枝を切り揃える事、しかし植木屋さんのそれとは違い、「見てくれ」を良くするわけではありません。木の幹に果実はならないので、枝の部分を平均的に残し、それが四方にまんべんなく残るように、そして日当たりや残す量も考えなければなりません。寒さのなか、以前のように「鋏」を人力で動かすというより太い枝の切れるよう電動式の鋏を使うことも多くなりましたが、反面バッテリーを腰に下げなければなりません。

福島の果樹地帯は、経済連(農協の県組織)が強くて巧みなマーケティングを行ってきた長野県経済連(現全農長野)などとは違い、個人販売で収入を得てきた産地。ですから、対個人の人間関係や信頼感で売る分「原理力災害」の痛手はとてつもなく大きいものがあります。 今日も道すがら、果樹を切り倒す現場を通りがかりました。このまま廃業なのか、新たに植え直すのか、知る術はありませんが、前者の確率が相当高いように思います。果樹は植えても収穫まで相当の年数を要します。 季節の冬は時期が来れば春になりますが、農業経営の春はただ待っていてもおいそれとはやって来ません。
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