村のお社、先に書いた「稲荷神社」ではなく今度は「愛宕神社」。愛宕神社はどのような神様を祀るのかも分かりませんが30軒ばかりの集落で2つの神社を祀って、それ以外に(旧)村社の祭礼も行うので昔から信心深いところなのでしょう。 もっとも、昔はお祭りくらいしか娯楽がなかったのか。しかし、未だに春夏の祭礼は欠かしません。今日がその秋のお祭りの日。

桜の木に囲まれた石の鳥居をくぐり、急な坂を上りきると1対の石灯籠があります。刻まれた文字を見ると「文政四巳」と読めます。文政四年は巳年だったのでしょう、異国船打払令が文政8年ですので、幕末とは言えないまでも江戸の後期、維新の50年前です。

200年の風雪に耐えた苔むした灯篭が先の震災で上の部分が落ちて割れました。現在では建築材としては需要が殆どない「赤さき石」を、特に切り出しての加工・据え付けで、再建まで3年以上かかったようです。 費用の工面はともかく、苦労の跡が見て取れます。

宮司のいる神社は周辺でも数えるほどですが、ここへは年1度はやってきて祝詞をあげます。宮司の上山に合わせて氏子も集まり、玉串を供えて「二礼二拍手一礼」で家内安全を願います。ささやかな祈りですが、福島の秋の例大祭の出店が並び、見世物小屋と山車の行列とは違った趣があります。 これもそれも日本の「まつり」。しかし、この小さな社をあと何年守れるか、さびしい話題がいつもの通り祭りを締めくくります。
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