今回もニューヨークの写真家、マグダレナ・ソーレさんを案内した南相馬の話題。9月の空の青さが印象的でした。 ずいぶん前に、1度だけ行ったことのあるNY。メトロポリタン美術館のことを話したら、ソーレさんのご自宅は美術館から5分のところとのこと。徒歩か自動車かメトロでかは聞き洩らしましたが、いずれにしても至近距離。東京で言えば山手線の内側にお住まいという雰囲気でしょうか。因みに夫君は医師とのこと。

そして、敬虔な仏教徒と通訳の方に教えて頂きました。ですから避難区域内の人気のないお寺に関心があるようで、小高区の中心部、この地域有数の(たぶん)古刹なのでしょう。人気はないものの、参拝できるように山門は空いていました。
本堂の両脇には、恵比寿天と大黒天が祀ってあります。「お寺に神様を祀る」神仏習合の名残でしょうが、そこまで外国人に説明する語学力、それ以前に日本の宗教についての知識もないので特に説明は避けましたが。

海に目を向ければ、太平洋は何もなかったように、海の青をたたえています。津波で崩壊した防波堤からは相変らずの太平洋。古文書にはこの地域には古来何度か津波があり、寺社仏閣は津波の来ない高台や内陸に祀っていたのに関わらず、杜撰な調査と御用学者の太鼓判で、原発立地をして今回の惨劇がありました。

かつて、水田だっただろう跡地に車のスクラップ。他の津波被災地域だあったなら、とっくに片付けであった被災車両も、草に巻かれて朽ち果てています。背景の3年半後の青空も、何とも痛々しく背景を飾っています。

小高い丘に阻まれて、なんとか津波の直撃を免れた集落、外れの墓地は津波で潰されたのか。放射能災害で戻れぬ住民が制限つき戻った度に寄せ集めたのか、幼く逝った子供を弔うお地蔵様が首の欠けたまま祀ってありました。 うろ覚えの「般若心経」を唱えられずにはいきませんでした。
スポンサーサイト
|