「現場まわりブログ」と銘打ったブログで、農業の生産現場、時により流通や販売、あるいはもっと源流の堆肥つくりなどを三々五々に紹介し、時々の時局などを織り込んで・・・・と言うのが当初の方針でした。
ところが、ご承知の3.11以来、福島県の農業生産は混乱を極め、また放射能災害と言う歴史上稀有な出来事に遭遇したためブログの内容も変わってきました。 「愚痴」や「東電批判」のオンパレードにもなりがちで、少々申し訳ないと思っています。しかし、これも「現場まわり」の一つで,まさか日本を代表する大企業、公益事業を戦後一貫して行い、日本の発展に寄与してきた「東京電力株式会社」ともあろう大会社がそんな「非道な」ことはするまい。と、思いきやこれが(広い意味での)被災者を、現状に即せず、ないがしろにしている実態(少なくとも私はそうです)が多くみられます。まず,私怨(?)はともかく、折に触れて人為的な逆風も含めて再生に臨む現場の様子をこれからも書きたいと思います。
さて、今回のブログは原点の「はたけ」の様子。

残暑と、朝夕の肌寒さが交錯する時期になると「りんご」も色付いて来ます。晩秋の収穫物「ふじ」もほんのり赤みを差します。果物の代表格「りんご」ですが、消費の方は伸び悩んできました。消費者がりんごを好まなくなった理由は「皮むきが面倒だから」と言われたのはずいぶん昔です。簡単に手でむける「温州ミカン」がある時期から劇的に消費量を落としてきたところを見ると、もっと構造的な果物離れが起きています。
とはいえ、重要な生産物には違いはないのですが、りんごは「日常的に食べる」ものから「贈答用」という非日常的な品物へとシフトが変わってきました。そので「ふじ」という、食味が高く、日持ちがして、比較的大玉、収穫時期が暮れの贈答シーズンに近い品種が、がぜん注目を集めます。 ですから、りんご生産量のなかで「ふじ」のシェアが非常に高くなりました。一時産地では「ふじ」なら間違いなく売れるという信仰が生まれ、そう言っていた営農指導員もいまやJAの大幹部です。
それはともかく、一種の特殊需要なので当然頭打ちになります。「ふじ」は生食は美味しいのですが、アップルパイなど料理・加工には向きません。

ですので、多様な品種、目的に応じた供給が必要になってきます。いつでも書くように、現行の農産物の生産・流通の仕組みは、国民が腹を空かしていた時期に成立したもので、むろん時期に応じで変更はされてきましたが、基本的なところは変わっていません、換言すれば「利権」の保全を図る勢力がまだ強いということでしょう。
先の写真はもう真っ赤になっている「早生種」のりんごです。
話を戻せば、暮れの贈答用に比重を上げてきたりんごの産地が、原子力災害による「いわゆる風評被害」に直面した時の「痛手」は相当大きかったとは容易に差しられます。「自分は食べてもいいけど、人様にはちょっと」という心理は誰にも止められません。

一度、供給ソース失ってからの再生は至難の業です。東電ならずとも幾多の大企業も販路の再建が出来ず、時代の中で消えていきました。 などと考えながら、りんご畑を見ると足元に「バラの花」が。ご承知の通り、主要果実「もも」「なし」「りんご」ともバラ科植物。 低コストでCO2を出さない「夢のエネルギー」にはとんでもない「棘」がありました。小渕「アンパンマン」大臣も福島第一原発の事故処理の視察に訪れ、現場職員を拍手で励ました様子、これから薩摩川内の九電原発の再稼働にを進めて行くこと。棘の実態も、不幸にして刺さった後の対処ももう一つ(以上に)不明確です。 原発ゼロで凌いだことにの夏の分析や説明もまだありません。先週末、為替が対米ドル105円台になって火力発電燃料がまた上がることが、棘を隠す要因なのかもしれませんが。
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