昨日川俣町山木屋の避難区域での自殺について原発事故との因果関係があるとして、東電に賠償命令が下されました。もっとも福島地裁の判決なので、さらに被告側が上級審に上告すれば結論は先と言うことですが。 ちょっと言葉に言えないような凄惨な自死なので、詳細は報道に任せますが、因果関係が認められたと言っても「よかったですね」とも言えることではありません。
伊達郡川俣町山木屋地区は、もともと安達郡(現二本松市)に属し、伊達とも安達とも相馬ともつかないような位置関係の高原地帯で、相馬市の玉野や相馬郡飯館村と近いような地形です。と言っても、この形容ではこの近隣の人でないとわからないのでしょうが。要は「交通の便はあまり良くないが、行ってみると良いところ」というところです。険しい山もない高原地帯で、田畑の他畜産も盛んです。 そんなところで養鶏場に務めながら、のんびり(かどうか知りませんが)暮らしていたある日、遥か彼方の原子力発電所で事故があったので逃げろと言われて、家も仕事も失って将来のことも分からないなかで、3か月後に命を絶つことに他の明確な自殺理由を探すことの方が困難だろうとおもいます。

いま福島では、「物置のピアノ」という映画が先行上映されていて、これはよく当ブログで書かせていただいている伊達郡桑折町が舞台になっています。 映画の制作や興業のことはよくわかりませんが、キャストからしてインデーズではないようですが、封切近くになるとやたら出演者がバラエティや情報番組に出演し、結構露骨に宣伝をしていることでもないので、今後どこで上映されるのか(されないのか)も分かりません。主演の新人女優が芳根京子と言って、話題の朝ドラで仲間由紀恵の娘役で出るそうなので、そちらの方から話題になるかも知れません。
「物置のピアノ」は風評被害に悩む桃農家の話で、浪江から避難して桑折の仮設住宅に住む鬱状態の中年男性を佐野史郎が好演していました。

やはり、大型スクリーンに見知った風景や見知った町や顔が出てくると、フィクションと現実が混ざり合うような感覚になってきます。
何年か前に広島県の商工会連合会に他分野からの農業進出についての講演を依頼され、地元の事業者の方ともいろいろお話をさせて頂いたこともあり、昨今の広島市の土砂災害も注視していてます。さらに先の震災の津波被害の仮設住宅もそれはそれで大変なのでしょうが、自殺者が年々増えるという福島の震災以来の現象は、自然災害とはやはり一線を画す事態だと思います。

東電も一応上場会社として存続しているので、裁判もせずに賠償金を支払ったとなると株主訴訟等のリスクもあり、裁判、裁判となると因果関係を否定する法廷戦術で、「違う理由で勝手に死んだ」と神も恐れぬような主張をする羽目になるのでしょうが、いくら法律上可能だとしてもこの状況からすると「そうまでして誤魔化して、存続を図りたいのか」と言う気になってきます。Nステでも古館伊知郎キャスターが相当怒っていました。
福島県の知事選挙も、一転なかなか華々しい選挙になりそうです。稀代のヒール東京電力を見事叩いた方が勝ち、そのような情勢です。
スポンサーサイト
|