相変わらずの梅雨空ですが、桃の季節の到達は例年より早いようです。 最近、高い単価の魅力で、さくらんぼ栽培面積が増えている福島ですが、山形と違い面積占有率はまだ低く、やはり果樹は桃からと言う地域。

桃の早生種「暁星」がそろそろ最盛期、いつもより早く主力品種「あかつき」の方も色付きが進んでいます。エルニーニョ現象、冷夏と散々脅かされましたが、ふたを明けてみれば順調な生育、農家も胸をなで下すところです。あとは梅雨明けを待つばかりと言うところ、お湿りは十分ですのであとは直射日光です。

福島盆地の西部はどちらかと言うと、梨の主産地ですが、待ちかねたように桃のための共選場も開場です。やや早めの開場に設備の点検中、ここから梨・りんごと暮れ近くまで休む暇がありません。

このような共選品は、基本的に青果市場に出荷されます。そこで需給バランスによって値が付きます。いわゆる共同選果共同販売。 この地域の経済を支えてきたのが個人販売。地域の温泉へ来る観光客や、宅配便の発達によって個人的に営業・販売するスタイルです。共同販売でも、風評によって他産地より値が低く取引されることが多い福島産ですが、さらに深刻なのが個人販売。ベネッセの個人情報流出ではありませんが、長年かけて培ってきた顧客リストが失われています。親戚や特に親しい人でなければ、永年の顧客と言えど不安や不満があれば離れて行きます。その親戚でも原発事故以降は、「私は食べるけど人に贈るのはどうも」と注文数が激減しました。 追い打ちをかけたのが、先日のセシウム飛散のニュース。昨年8月がれきの撤去中にダクトが飛散した話題で、後追いのように、その時期遠隔地でも一時的に線量が上がったことが発表されました。 また、注文が来なくなる。よりによってこの時期にと、悲痛な声が聞こえてきます。
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