来月、農協改革がテーマのシンポに講演します。詳細は決まり次第書きます。 場所は東京、おそらく丸の内、気鋭の経済学者等に交じっての講演です。もう10年になります、東北農政局の委員を仰せつかって、農協改革を唱えたこともありました。しかし、その頃とは時代が相当移り、農協改革がかなり現実身を帯びてきたので、かつての「農協制度疲労」的な抽象的な表現ではなく、具体的な「処方箋」が必要になります。
一般的に農協なるものは、「前時代の遺物」、「日本の農業は改革が遅れていてそれが証拠に後継者がいなくて高齢化が進む」と、一般論ではよく語られるところです。そして「いわゆる6次産業化」「植物工場」で農業の未来像を示されるのですが、実際の生産流通現場からすると「絵に描いた餅」。実例を挙げるときりがないのですが、現行稼働の植物工場などはプラントメーカーの展示施設のようなもの、農業生産活動で利益が上がるかどうかは、まだまだ未知数です。

農業の生産・流通の実務の現場から、未来像を作ろうとしている当方から見ると、参考になるのが「養鶏業」。畜産業と一口にまとめられるのですが、ご存じのように「卵」と言うのは物価の優等生。戦後これほど値上がりしない商品もないと言われています。牛肉のような政治力を持たずに、企業化、大型化、合理化で押してきた日本農業では稀有な存在です。
しかしこのところ逆風もあります。鳥インフルエンザなどの病気。一節によると、渡り鳥がウイルスを運んで蔓延させるということ、こうなると防御の手立てがありません。運搬用のトラックをこまめに水で洗浄していますが、空からの来襲には気休め程度か。 為替の円安、ほぼ全ての飼料は輸入によるもの、為替リスクが経営に直結します。そして環境問題、施設が大規模化するほど大量の糞尿が出ます。そしてその臭い対策。

そのあたりを一気通貫に対応して、さらに他分野にも応用できるような方策。糞尿の悪臭ならぬ、宣伝句作なりますが、現場のソリューションとクラウドに代表される先端技術の融合。そこが私の講演内容になってきます、決して畜産や鶏卵の話ではありませんが。
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