梅雨の中休み、朝方の雨も上がり久しぶりに日が差しました。 検体を持って山形大学工学部のある米沢へ。ひところ頻繁に訪れていた米沢市ですが、事業分野の移動によりあまり来なくなりました。 福島から米沢へは国道13号線、栗子峠を越えるルートです。現在の13号線と新規格の道路工事が並行して走っています、豪雪地帯ですが雪のない時期は現在の国道も快適なルートで、新緑が楽しめます。

米沢盆地の下り口は国道を外れて側道に入りました。こちらの方が直線距離が近くなります。工事道路のガードをくぐると水窪ダム、このところの長雨で満々と水を蓄えています。久しぶりでこの道路も通りましたが、どこかの風景に似ているという気分に。山間のせき止めダムなどどこも似たようなものなのでしょうが、「そういえば浪江町の大柿ダムに似ている」と思いました。
原発事故現場、双葉郡から県庁所在地福島に抜けるルートは概ね二つ、南相馬から飯館、川俣に抜ける道路、もう一つが浪江町からやはり川俣を経由して福島に着く道、これが国道114号。もちろん側道、支線は多数ありますが。
浪江で太平洋にそそぐ請戸川、川沿い国道114号を進むと峠に向かって左手に大柿ダムが現れます。いくつかのトンネルがあって、ダム横には駐車スペースがあって小休止のは格好の場所でした。 このダムを過ぎて峠に向かって進むと浪江町津島地区、峠を越えたところが川俣町山木屋地区。いずれも農業、畜産地帯豊かな自然に恵まれつつも過疎の街です。

東電事故の何号炉か知りませんが、水蒸気爆発の時の風向きがちょうど114号線方向で、津島も山木屋も高濃度のセシウムが降り注ぎ、特に津島は除染さえもままならぬ濃度になってしまいました。 かつて、津島の住人がそっと自慢していたのがDASH村。震災前まではTV局の方針で所在地が明らかにされていませんでした。
DASH村の農業の達人「明雄さん」亡くなったとのこと、新聞によると告別式は13号線沿いの斎場で行われたようです。私も3.11の数日前、南相馬のアスパラガス農家を訪れて、津島・山木屋を通り帰ってきました。 水を満々とたたえたダムを見ながら、科学技術や経済合理性とやらに踊らされた数奇な運命を考えました。
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