福島盆地、平坦部は曇天ですがやや高台にあるあづま運動公園は小雨が降りやみません。公園の一角にある陸上競技場では日本陸上選手権が開催されていました。 関東地方も雨模様、国立競技場で開催しても雨の中で行われたはずです。その国立も東京五輪に向けて役目を終え、新競技場の建設に着手とのこと。
梅雨時ですので雨天は仕方のないことながら、くっきりと青空に映える吾妻連峰を国内から集まった精鋭に見てもらいたかったという思いはあります。しかし、勝利者インタビューの中で、福島に来れたことを喜び、復興に役立てればと言う趣旨の発言をする選手がいて、地元福島の人間としてうれしい限りです。

吾妻山の中腹にある競技場、そのすそ野に広がる果樹園。その果樹農家と話をしました、放射能災害を受難としてとらえてそこからの立ち直りを目指しています。この農家も、より商品価値の高いさくらんぼに経営の軸を移したいと考えています。いままでもJAには頼らず、今後も頼るつもりはないという意向です。東電との賠償交渉もJAからは断られ、個人的に交渉しているとのこと。加害企業にもかかわらず農家を馬鹿にした担当者の物言いに怒り心頭だそうです。「桃の売り上げファイルにどうしてリンゴも入っているのですか」「顧客が桃もリンゴも買い上げてくれたので一緒に管理しているのです」、このようなやり取りが延々と続くのだそうです。税務申告も問題なく済んでいる、つまり国税も理解していることを加害企業がイチャモンをつける姿がにどうしても納得できないようです。ですから、減収分以外はビタ一文要らないからと交渉に臨みます。もっとも、交渉も資料つくりも減収分を補うためであって、いわば余計な仕事。これで事務費が出るわけではありません。東電は社員ですので給料をもらってしている仕事、東電の社員と言っても現場に回されるのは「昨日まで電柱に登っていたりマンホールに潜っていた社員」交渉の決定権などあろうはずがなく、本部の然る筋に決裁を仰ぐ身で、今度は伝言ゲームが延々と続くといいます。

気が滅入る一方の被害者の方も、一時の安らぎを求めてか見事なバラを咲かせていました。門柱に鮮やかなバラがあったりするとやはり心が和みます。 別に震災があったので花を植えたわけでもないでしょうが、改めてみると福島は四季の花に恵まれています。知れ渡った桃の花の時期でもありませんが、せっかく福島まで来て雨の中で競技を終えたアスリートの目にも届いたでしょうか。

梅雨の定番、紫陽花も咲き始めました。エルニーニョ現象とやら、長雨や冷夏が心配されますがかっと照る太陽がやって来るよう、果樹農家の皆さんと待ち望んでいます。
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