原発事故によって京都に自主避難をした会社経営者に、仮払い金月額40万の支払い命令を京都地裁が下したとのこと。 営業損害の本請求は依然裁判中のようです。よく、県外の方から言われるののがが、「福島県は災難にあったが、賠償が入るから・・・」。 ニュースのヘットラインだけ見ると「自主避難者に賠償月額40万」と、何ともうらやましく見えますが、記事をよく読むと避難者の悲惨な実態が垣間見れます。この避難者は「心的外傷後ストレス障害(PTSD)」で就労不能で、生活資金の仮払いを求めていたとのこと。
裁判ですので医療機関の診断書が求められ、事が事なので医師も今後の司法への影響も考えてかなり慎重に診断書を作成するのでしょうから、相当重篤な症状であるとが察せられます。たぶん「痛い」とか「痒い」とかの仮病まがいでないことは確かで、家族の生活費まで含めて困窮があったのでしょう。プライバシーのことがあるのでそれ以上詳しい記述はありませんが。

自主避難と言えば「勝手に逃げた」との見方があり、社会的なステータスが高い「医師」「大学教授」「会社経営者」「政治家」などの避難が取りざたされます。ステータスと言うよりそもそも経済上それが可能だったということでしょうが。 反面、心配を抱えながら逃げ場所のない人もいる、というよりそれらが大半です。「自主避難にも仮払い金」と言うと「逃げ得」「ゴネ得」という印象があるのは否めませんが、よほどの金持でもないと「困窮」「一家離散」「ストレス障害」と言った、深刻な実態と隣り合わせのようです。 「除染が終わりました」という看板の立つ公園で今日も無心に遊ぶ子供がいます。これを見て自主意避難者の思いは、早まったという「慙愧の念」か、逃げて良かったという「安心感」か。 この避難者の仮払いも「5月から1年」、そのあとはまた係争が待っています。「個別具体的な事情に応じて因果関係を認め得る」と、原子力損害賠償紛争審査会は指針に書いていますが、東電はそれどころではなく機械的・事務的に案件を処理しているように見えます。被災者にしてみれば一生のうち1度あるかないかの大事件で、膨大な案件数を捌くのが精一杯の加害者東電。 中間貯蔵施設、廃炉・汚染水対策同様、被災者の被害実態に合わせた賠償も、民事として民間企業に任せておくにしては影響が大きすぎます。
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