「美味しんぼ」の鼻血のはなし、が再燃してきました。 もともとフィクションの世界に実在の人物が登場してくると、途端に話が複雑になります。それも前町長とか大学准教授とか、一応社会的なステータスを持った人で、前町長などは環境大臣の不快感を示すコメントに「人の身体のことが他人になぜわかる」と逆キレをおこすありさまです。 これはこれで伏線があって、原発事故の収拾には、原子力の主務官庁の経産省、放射能の環境破壊には環境省、賠償についてはおそらく科学技術の関係かなぜか文科省、1次産品のセシウム抑制や風評被害には農水省、甲状腺がん等の影響は厚労省と複雑に縦割り縄張りが輻輳し、多くの国民の知ってのとおりそれらは協調することなく不効率な事業活動に終始するとになっています。

除染については環境省なのですが、遅れていて効果が不十分とされていて、震災対応で不人気を託った前民主党政権ですが、比較的評判が良かったのが「細野環境相」。現環境大臣は除染が進まぬ割に上から目線、中間貯蔵施設の用地でも高圧的に国の主張を通そうとするところがあり、「七光り議員、国会に遅刻するお前が何を言う」のような反発があるのかもしてません。

今後の「美味しんぼ」の展開は、福島は人の住むところに非ず・・・と言う展開になると予想されますが、ここで復興を果たそうとする人も大勢いて、復興住宅の建設も行われています。 実は、今回の漫画の登場人物も個人的には満更知らない人ではないのですが「あなたに除染の話をされても」「個人的な見解は分りますが、専門分野は違いますよね」と言いたいところもあります。 商業メディアは結局「売れて幾ら」なので、平穏な話よりも身の毛の弥立つ話題に行きやすく、前町長や准教授の発言を切り取って「インパクト」に利用された懸念はあります。

原発事故対応について「東京電力」「政府」の対応が、評価できるなどと言うことは絶対ありませんが、それでも限られた条件の中、復旧復興や事態終息に一生懸命に取り組んでいる人たちも大勢います。吹き飛ばされそうな逆風の中「がんばる現地」にもう少し配慮を頂ければと思うところです。
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テーマ:ほっとけない原発震災 - ジャンル:政治・経済
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