人気コミック「美味しんぼ!」の表現で、福島に来た記者が鼻血を出して診察を受けたことが「風評被害」を招くと論議を呼んでいます。
まず、「美味しんぼ」ってまだ連載していたの、というのが率直なところで、知人が自分で発行していたミニコミで「美味しんぼ」のパロディの「いやしんぼ」と言うのを書いていたのがもう四半世紀以上前なので、その長寿ぶりと日本のコミックのコンテンツ不足にはちょっと驚かせれます。
さて、放射能の恐ろしさと言うか厭らしさは、被害が目の前に現れない(低線量被ばくの場合ですが)ところで、率直に言ってかえって鼻血でも出てくれたら「手の打ちようもあるのに」と言うところです。「リスク有り」と「きわめて安全」と言う相反する見解が両立にてあり、その両方にもっともらしく学者や見識者が名を連ねていて、「どちらを取るのも住民の皆さんの自己判断」といわれても、学者で意見の分かれることが素人に判断できるわけがありません。そこに自称研究者、にわか研究者が参入して「売らんかなのメディアに」目立ちたい「ネット配信者」が乱れて存在し、いまだ落ち着くところに至っていないのが被災地周辺です。

雨上がりを待ちきれずに、集合住宅の通路で遊ぶ子供。「マナー」はともかく、少子高齢化と言われる中で間違いなく日本を支えてゆく子供たち、わが子の成長を願う親「放射能は危険です」「この程度の線量は何ともありません」入り乱れる情報の中で、わが子を育てる親の心情は察するに余りあります。
中・高生の「スマホ漬け」生活も問題になりましたが、肥満体でバーチャルの世界にはまる子供と言うのも、その先にはうすら寒い未来像しか想像できません。 「天才はオタクの進化形」と言う冷めた見方もありますが、まず天才だけでは成り立たないのがこの社会。話も戻すと「美味しんぼ」の出版社の対応も気になります。とはいえ、出版社は、かの「小学館」、昔懐かしい「少年サンデー」「小学1~6年生」の出版元。今回の美味しんぼも実在の町長、前町長などが出てくるリアルとバーチャルが混然となっている構成です。 社会全体が、正常な「自己判断」ができなくなっているのかもしれません。
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テーマ:ほっとけない原発震災 - ジャンル:政治・経済
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