西太平洋で水温上昇、エルニーニョの兆しか、今年は冷夏の可能性。という報道がありました。農家の受け止めは意外と冷静で「気象庁の長期予報は当たったためしがない」と意にも介しません。 ダントツぶっちぎりのはずだった巨人はセリーグ3位、しかしわれらが中畑ベイスターズは予想通りやはり最下位、しかし最下位ロードにスワローズも居ると言うのがなんとなく救われます。 私も生前ずいぶんとお世話になった、福島大学の名物教授下平尾勲氏。講演で「予想」を逆から読むと「嘘よ」とよく言っておられましたが、長期予報や地震予報はまだこのような確率なのかもしれません。

アップで撮ると可憐な果物の花も、アングルを引いて全景や風景まで入れると、地域の特性や各農家の個性、個別の技術体系などが見えてきます。 「どこが」と言われても一口で言えないのが、いまだ「コツのようなもの」あって「レシピ」だけでは表現できない農業技術の特性で、その点STAP細胞と似ています。

さくらんぼも、球数重視と果重重視で花の咲かせ方や受粉管理が違ってきます。果実は実は「種」専門用語でいうところの「生殖成長部位」、木や葉を育てる「栄養成長」とは少し意味が違います。しかし、ある程度木や葉も育てないと実もつかないわけで、そのへんの「匙加減」が技術の要諦と言えます。

梨は、栄養成分と果実つまり種の関係が割合鈍感、とにかく木を充実させなければいけません。ところが、肥沃の土壌よりも石だらけの、かつては萱しか経なかったようなヤセ地が栽培適地だったりします。 まずは奥の深い栄養管理と栽培技術、そこに他生産者との競合による「販売管理」が入って来ます。コスト重視か品質管理か、30年も40年も前と違ってお腹を空かせている日本人はあまりいない訳で、「品質」つまり美味しくなくては売れませんよというのは、というのは誰でもわかること。 しかし、品質よりもコストに走ってしまう生産者も実際います。長年の経験をタテに、データや論理に背を向けます。これは、技術や経営の問題ではなくてもはや「煩悩」の範疇なのでしょうが、やがてというか現実的に「現世」から去らねばならないのもなんとなく宗教的ではあります。
スポンサーサイト
テーマ:仕事の現場 - ジャンル:ビジネス
|