今年最高の気温だったと言う土曜の昼下がり、原子力発電所事故を抱える福島も穏かな空気が流れます。
福島市というより福島県を東西に分ける阿武隈川、福島氏の河口に向かって右岸が渡利地区。宮城県の「亘理」とは異なります。亘理は津波で、渡利は放射線量でマスコミに露出しました。

思えば、20代でイギリス・フランス、それの日本から見れば辺境のスコットランドや大西洋に面する軍港プレスト。30代では大都会のNYや米国南部の中心都市アトランタ、少しだけですがニューオリンズ、そしてロスと思いも世やぬ場所の空気を吸わせて頂きました。 でも、福島というところも暮らしやすいところだと感じています。 福島市の阿武隈川の右岸とと左岸を結ぶ松齢橋、水色の鉄橋を川面に映しています。隣りが4号線バイパスの大仏(おさらぎ)橋。福島城の別称、大仏城が名の由来ですが、大仏城自体然程ドラマチックないわれがなく、なんとなく影の薄い名称です。

3月も最後の土日になると、卒業と入学の中間でのんびりした雰囲気が漂いますが、現実に目を移すと柳もすっかり青くなり「あとは桜か」と言う風情です。
しかし「みちのく」は冬もまだ居座り、春の陽気の川面に旅立ち遅れた白鳥が、名残惜しそうに滑空を繰り返していました。もう少し下流に白鳥の餌場が合ったのですが、鳥インフルエンザの騒動から廃止になって何年か経ちます。小学校の教科書で見た、遠来の白鳥に餌を与えた「美談」は何だったのでしょう。

美談とかモラルとかは、時間によって変わってしまうものかも知れません。ボクサー崩れの殺人犯が最新のDNA判定の結果「冤罪」の可能性ありと言う事になりました。可能性どころか、裁判所が「正義の意味」を問うとんでもない事態です。
川面に移ろいやすい人間の心情を映して、悠々と春の川が流れてゆきます。
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