艱難汝を玉にす【苦労や困難に堪えてこそ立派な人間になれる】 聖書の言葉かと思ってましたが、西洋の諺であっても出典は聖書ではなさそうです。「困難は人を賢くする」の意訳で、なんとも訳者のセンスが偲ばれます。
昨日、今日この言葉を聞きました。今日は福島県内公立中学校の卒業式、原発事故の直後に入学して混乱の中での学校生活でした。校長先生の式辞や教育委員会の告示に出てくるのが「艱難汝を玉にす」、苦労した中学生生活であ在ったが今後は苦労を糧に人間的な向上を目指そうということ。

また、ここに順風満帆ばかりではない今後の人生困難に直面しても挫けずにという励ましが続きます。まずは少なくても全国の中学生にはない経験をさせられた彼等、前途に幸多かれと祈るのみです。
今度は大人の「艱難汝を玉とす」。 復旧・復興への道筋を考えるシンポジュウム。食の安心プロジェクトの基調講演でも飛び出すのがこの言葉、福島県も内陸部は地震は瓦が落ちた程度、停電1.2日、断水3.4日、しかし、そのなかで顕在化した原子力災害。
基調講演をされた酒造会社の社長も、地震直後は「BAY東北」で支援需要が盛り上がったが秋を迎えた頃より、新米から放射性セシウムが検出されるとキャンセルと返品の嵐、もちろん醸造した酒は22年産米でセシウムなど入りようもないものの、そこが「風評被害」の恐ろしさ、支援需要は福島を飛び越え秋田や青森のの蔵元へ。

「艱難汝を玉とす」を念じ商品力の向上にひたすら励むしかなかったとのこと。

放射能の専門家のパネラーからも、「消費者の福島産への意識はここ1年変わっていない」という指摘がありました。どうやら消費者意識調査によるデータによるもの、人間一度刷り込まれた意識は容易に変わらないようです。 まして、汚染水流出や除染の遅れなど毎日のように報道されれば、前首相が事故当年に言った「終息宣言」は真っ赤な嘘であり、現首相も「おいしく安全な福島の農産物を毎日食べております」も考えようによっては逆効果。
「艱難に汝玉砕す」にならないように、艱難に耐える日々が続きます。
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