菅元総理が安倍総理を提訴、現総理側のメルマガによる「海水注入指示の記事はでっち上げ」を名誉毀損として提訴したとのこと。まさに国政選挙の最中になんとも緊迫感のないニュースが飛び交います、政治家にとっては選挙と名誉は表裏一体なのかもしれませんが。
福島では面的除染が始まっています。と、言うよりとっくに始まっていたのですが、よく見かける風景になりました。

除染という非日常の作業が、なんとも普通に行われています。ボードがないと通常の土木作業と区別がつかないほど背景に溶け込む何ともいえない光景です。

現場の脇を下校の高校生が通り過ぎ、何事もないような昼下がり。パニックにもならずエキセントリックにもならず淡々と日常を送る、これが福島の強さなのかもしれません。

子供が除染現場近くでボール遊びをしていました。原発事故後外で運動せずに運動不足で肥満になる子供もいる中、ストレスは健康の敵とばかりに元気に遊ぶ子供もいます。どちらが幸福なのか誰もわからない比較に大人はただ見守るばかりです。
前回も書いた東京電力の数少ない善玉役の故吉田元所長。テレビ回線で東電本社や渦中の当時の菅総理とやりあいながら、事故を最小限に食い止めるべく陣頭指揮を執りながら先日病に斃れました。その吉田氏の追悼記事も週刊誌で見受けられますが、「原発事故で福島県の浜通りの住民には大変なご迷惑をかけた、なんとしても元の形にしてお返ししたい」と生前言っていたと伝えています。
しかし、迷惑を被ったのは浜通りだけにあらず、大なり小なり広範囲で多くの影響が出ています。無論福島県内だけではありません。吉田所長にはまだ長生きをしていただいて、その影響と願わくば復興の姿も見てもらいたかったのですが、まさに原子力災害の生き証人として。

除染現場の近く、労働組合事務所の窓には反原発のスローガン。まさにその通りですが、幕を張って済む話ではありません。 世界中の英知と技術を結集して「再生可能エネルギー」という声と裏腹に、経済同友会の爺さん方が福島にやって来て「原子力発電所は必要な技術」と打ち上げたりもしています。まずは産業界の目先のコストから言うと原発なのでしょうが、福島で言うにはあまりにデリカシーに欠けると言わざるを得ません。
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テーマ:ほっとけない原発震災 - ジャンル:政治・経済
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