共同研究先の福島大学、主に研究に携わっていた先生の定年退官等、ひと頃よりは足を運ぶ回数が減ってはいますが、何かと及びか掛るのも事実、今回は首都圏から震災復興の学習のため学生が来るので話しに来いとのお達しがあり行って来ました。

以前は田舎の国立大学など研究予算が付かなくて、教員・研究者が汲々としていました。科学研究費等文科省で出す研究予算は、公募方式で研究計画を出して審査のうえ採択・不採択が決まり、採択されれば応分の予算が付く仕組みです。ところが、このような審査方式だと人脈やコネクションが豊富な、旧帝大(東北大学のような)あるいは文科省の肝煎りで整備された筑波大学などに採択が集中し、いわゆる駅弁大学はお零れを頂くように予算を受けた大学の協力分担などについていました。
この震災と放射能災害で、研究の前線基地の役割を課せられた福島の大学、多額の予算が付いて施設作りも急ピッチです。見上げれば熊でも出そうだった駐車場に雪の中突貫工事で研究棟が建っています。ハコ物作ってどうなる、という気もしないわけではありませんが、とりあえずの環境整備「善し」としましょう。

この日、私が担当した講座は、東京の都心部にあるカトリック系の有名大学の学生と地元の学生も何人か入っているという構成。以前で言えば東京都心の私立大学生(しかもカトリック系)と田舎の旧国立大の学生は、服装も雰囲気も(良し悪しではなく)かなり違っていたものですが、もう一見では見分けがつきません。もっとも地方の学生とて「訛り」などないので、まるで見分けが付かないといって良いでしょう。
やはり、情報化や交通網の発達は如実に国土の均質化を生んでいるようです。これで少なくてもこの年代はいわれのない福島差別を受けることはないかと少し安心した次第。
なお、写真の講師では私ではなく前任者、ちょっとICTの話などを織り込みTPP(環太平洋貿易協定)を含めて情報通信から農業の近未来まで、浅学の尻尾を出さぬよう話を散らしたつもりですが、賢明な学生諸君にはお見通しだったかも知れません。
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