寒さの厳しい年です。程度問題ですが、夏は暑く冬が寒いのはやはり農業にとってはいい傾向です。冷夏で野菜が不作だったりすると市況は高騰しますが、なかなかそんな事ばかりは続きません。メディアは挙って高値の野菜を書き立てますが1週間や10日でもとの木阿弥が通常です。

昨日は郡山市で研究開発支援関係の専門家の方にお目にかかりました。学術畑の方ですが、最近話題の植物工場には否定的で、まずコストが掛かり過ぎる。そしてそのような手段で生産された野菜は「美味しくない」、土で栽培したものは放っておくと「枯れる」が工場生産品は「腐る」。いわば、農業関係者から見ると常識なのですが学術関係者から聞くと信憑性が増します。「枯れる」と「腐る」、私はよく「萎れる」と「溶ける」と表現するのですが、言っていることは同じで、時間が経過することによる「劣化」なのですが一つ間違えるとオカルトになるのでやはり科学的な検証をしながら差異を明確にしていくことが大切です。
「ほうれんそう」も、その寒風の中で元気に育っています。こうして収穫したほうれんそうを(野菜の)専門家が見ると、「色が濃いので窒素肥料が多いのでしょう」と言うことになるのですが、低温下で育つことによって葉色が濃くなっているものです。ですから化学肥料で同様に栽培したものと葉の硝酸態窒素を量ると歴然とした差が出ます、色は濃くとも窒素が少ないのです。 美味しいものを作るという奥深さと、美味しいものを商品価値として分かっていただく難しさに今年も忙殺されそうです。
郡山も正月気分も抜け、通常の生活リズムに戻っているようでした。ところが前を通ったオフィスではまだ仕事が始まっていないようです。仮設住宅の暮し、先の見えない風評被害を見ている人間にとってはなんともやるせない正月休暇ではあります。


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テーマ:ほっとけない原発震災 - ジャンル:政治・経済
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