福島市飯坂温泉から国道115号線にいたる通称フルーツライン、115号線は相馬から福島を経て会津地方の入口猪苗代に通じる国道でフルーツラインとは土湯トンネルの麓福島市上名倉で合流します。
果樹地帯を通り温泉や観光道路も近いことから果樹の直売所が並びフルーツラインと呼ばれるようになっています。

飯坂寄りの福島市大笹生地区で生産直売「いなか一番」を経営する服部さん。永く生協に勤め直売所としては後発ですが、品質にこだわった栽培と販売方法で固定客をつかんでいます。

しかし、いくら高品質にこだわっても客が通らないことには始まりません。事故直後の昨年よりも今年の方が来場者が少ないと言い生ます 大体果樹地帯ですので、地元住民が消費者であることは期待できません。温泉などへの行楽、あるいは果物狩などに訪れてもらえなくては商売が成り立ちません。 風評被害で温泉に来る観光客が激減すればおのずと売上げも上がりません、まして内部被曝がどうのこうのと言われる農産物ですから商売の厳しさも分かろうと言うものです。

既に晩秋、商材も残すところりんごのふじになりました。福島のふじは蜜が入ります、果肉に果糖の凝縮した果汁が溜まるので蜜入りふじと言われる人気商品です。 市況の関係で蜜が入らないうちの果実が若い果実を出荷する動きがあることを心配する服部さん、市場出荷であっても福島産なのに蜜が張っていないと消費者に思われると、長い目で見れば福島産ふじのブランドのマイナスになります。

直売所の片隅には大根も。服部さんの栽培姿勢も良く表しています、このような長年かけた地道な努力を原発事故は一瞬で吹き飛ばしてしまいました。 東電の福島復興本社を県内のどこに置くかなど不毛な論議も続きます。郡山市に経済産業省の産業総合研究所の放射能研究拠点が出来るそうで、市長と研究所長が鬼の首でも獲ったような会見をしていました。聞けば開設は再来年。全村避難からの帰還で何かと話題の双葉郡川内村、しかし放射線量は郡山市の方高くなっています、どうも対応の優先順位がおかしくなっています。
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