仕事の通りがかり、全く懐かしい風景に出会いました。稲刈りも少々小さな水田でもコンバインが入り込み、稲を刈りつつ脱穀まで済ませ、籾が乾燥機に運ばれるのですが、稲刈り機で稲を刈り「はせ」で乾燥させる作業も行われています。

さらにそれ以前は鎌で刈っていたのでしょうが、それでも懐かしい風景です。このような作業で収穫されたお米の方がきっと美味しいのだろうと思ってしまいます。「非科学的な」と言うなかれ、天日乾燥のほうが美味しいのはまず間違いないでしょう。乾燥というと洗濯物のように熱や日光が水分を奪うと考えがちですが、天日乾燥では寒さも決め手、凍みないと水分が落ちないと言うのは米作農家の常識で、まさに科学的な考察を超えたを超えた自然の力です。

しかし、効率化、コストダウン、近代化(これも懐かしい表現ですが)めっきり少なくなった光景で、まるで昔の社会科の教科書の「農村の作業の様子」にでも出てくるようなアングルに思わず何枚かシャッターを押してしまいました。 もっとも今は学校でも社会科とは言わず公民とかと言う教科のようで、こちらもいろいろと時代錯誤を指摘されてしまいます。

しかし、日本人は本当の誇り高い民族だと思います。戦後エコノミックアニマルと呼ばれ経済競争に打ち勝って国を富ませてきましたが、このところ後から追いかけてきた新興国の前に窮地に追い込まれているようです。 しかし経済合理性にはない食糧の生産や環境をまもる活動も行っています。このような水田つくりがどれだけ国土保全や治水に役立っているか、貨幣価値では量れません。
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