「暑さ寒さも彼岸まで」とはよく言ったもので、先日の雨以来ようやく秋めいてきました。とは言え日中は30度近くまで上がり、これまでの暑さと比べればと言う注釈はつきます。

街路樹のカエデも色づいて来きました。朝晩の冷え込みが未だ少ないので「見事な紅葉」とは行きませんが、何とか秋の風情は出てきました。

水田も未だ黄金色とはいえませんが、稲穂もずいぶん垂れて来てもう少しで稲刈りが始まります。すずめ避けの網が張られると、また秋の気配が一段と増してきます。 自然そのものと言うより、自然と人間の係わり合いが一段と季節の風景を作り上げてきます。

雨の多い年は、水田の地面が湿気を含みやわらく手稲刈りが業が進みません。今年はその心配はなく、はじめると一気に稲刈り作業がはかどりそうです。
昨年の汚染米騒動で、今年は米の全袋検査が行われます。行程を説明すると、稲を刈り、脱穀という籾(殻のついたお米)を稲藁から取り外す作業を経て籾殻ごと乾燥させます、以前は籾と稲藁ごと自然乾燥させていましたが今は少数派です。次は籾摺りといって、籾殻を取り除き中のお米だけにします。これが商品として販売される精米の1歩前、玄米です。農家はJAや集荷業者に売り渡す時ははこの玄米です。玄米を仕入れたJAや業者がも米ぬかを取り去り(この作業が精米です)小袋に入れて米屋やスーパーで販売します。消費者も玄米でお米を入手したときにはコイン精米機などで精米して食べます、まれに健康のため玄米のまま炊いて食べる人もいますが。
説明が長くなりました、籾摺りをして生産者が玄米で出荷するときには規定の30kg入り米袋で出荷します。この時30キロ米袋をベルトコンベアーで流しながら放射能の測定をするというのが話題の米の全袋検査。JAに出荷しない米もJAに検査するのか、家で食べたり親戚にあげる米はまた持ち帰るのか、顔の見える関係として直接消費者に販売する米はどうするのか、ドタバタ喜劇紛いの大騒動が毎日続きます。
民主党の代表に再選された野田総理はTPPの推進論者です。関税の撤廃で最も影響を受けるとされているのが日本の米、こんなドタバタが成り立つはずもありません。逆に構造改革のいい機会であると思うのですが。
農業のグローバル化、イノべーションはともかく、収穫を素直に喜べない「原子力災害の秋」は当分続きそうです。
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