
飼料の保管タンクが林立する養鶏場。国際競争力をなくしたと言われる国内農業で企業化に成功した数少ない分野です。かつての副業的な養鶏は特殊な卵を採るもの以外影を潜め、専業化・大型化に向かい企業経営で養鶏を行っている所がほとんどです。 餌になる穀物はほとんど外国産、放射能の影響は受けずしかも円高メリットを享受していました。ところが世界的な異常気象でトウモロコシの世界的な不作、価格の高騰は火を見るより明らかで一転厳しい経営を強いられそうです。

飼育規模が大きくなると排出される糞尿も膨大でそれらの処理も大変です。それら負の排出物を農業生産の資源「有機肥料」に返す取組が行われています。畜糞で堆肥を作ることは一見当たり前のようですが、非常の手間ひま労力がかかり、ホームセンターなどで園芸用堆肥として売られていても、プロの栽培に適さないようなものも多くあります。ですので、安売りの目玉になっているような堆肥などは名ばかりの肥料で、畜産廃棄物以外の何ものでもないケースも散見されます。
今日は栃木県佐野市の生活生ゴミなどを堆肥にして花や家庭菜園を楽しむグループの方が視察に見えられました。 規模の大きさに驚かれていましたが、この資材などを使って栽培するきゅうりの美味しさにも驚かれています。
福島でも震災復興のシンボルとして「再生可能エネルギー」が取りざたされていますが、再生可能エネルギーは何も電力だけではありません。負の資源をエネルギーに変える、古典的な有機農業ではなく競争力のある農業を作る。当たり前のことが求められています。
スポンサーサイト
テーマ:仕事の現場 - ジャンル:ビジネス
|