先ほど通りかかった福島市の通称「フルーツライン」、いろいろな果物が季節を彩り、直売所、もぎ取り可能な観光果樹園が軒を連ねます。 平日だからと言ってしまえばそれまでですが、いかにも寂しい風景が広がっていました。

本来だと桃に先駆けて人気を集める「さくらんぼ」ですが、人影が見当たりません。本当に「平日だから」だといいのですが。 野菜の流通関係者に聞くと、福島産の販売は今年より去年方法がまだ良かったといいます。去年は支援イベントなどがあり、まだ手の打ちようがあったのですが今年は支援の動きも冷えて来たと言うことです。
福島では放射能の検査機器も相当数揃い、こまめな検査ができるようになりました。航空機モニタリング調査などによる線量マップを見ても、セシウムは東日本全体に拡散しておりこれだけの検査体制ができている福島の方がむしろ安心といえるのですが、理論通りに動かないのが「風評」なのかも知れません。

開店休業どころか、シャッターも開けない店舗も見かけます。まだ、福島では主力とは言えないさくらんぼなので「寂しいですね」で済んでいますが、これが主力の桃、梨、りんごともなるとまさに恐慌状態になります。 桃が本格化する来月末には、大勢の来園者で賑わっていることを祈るのみです。

売れようと売れまいと、来園者があろうと無かろうと、農業経営には一定のコストはかかってきます。逆に必要なコストを削ると、農産物の質の低下やサービスの低下につながります。まさに2年目の正念場を迎える福島の農業です。
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テーマ:ほっとけない原発震災 - ジャンル:政治・経済
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