6月の言えば、東北地方の果樹の先陣を切る「さくらんぼ」。 福島はさくらんぼの本場山形より早く収穫時期を迎えるため、果実の季節を待ちわびる消費者に美味しいさくらんぼを届けてきました。
果実の実割れを防止する雨除けハウスの中、もうずいぶん赤くなってきましたが、今年ももう一つ士気が上がりません。 放射能の汚染状態と、風評被害による「福島離れ」がどのようになるのか手探り状態です。

汚染という実害と風評被害に苦しむ福島ですが、対応策も出てきました。しかし、放射能がほぼ検出されない山形や山梨との闘いは、それだけにとどまりません。 品質の低下につながりかねない塩化カリの投与などは自殺行為になってしまいます。

観光客の姿が見えない観光果樹園では、赤みを帯びたさくらんぼの下で観光客に注意を呼びかける看板だけがひっそりと佇んでいます。 このような被害は果樹園だけでなく、旅館や飲食業者、地元のバス会社まで影響を及ぼします。 社員のモチベーションが下がるとの理由で、電力料金の値上げ分に社員の賞与も計上しているとのこと。やり場のない怒りと将来への焦燥が、梅雨のはしりのような曇天のように福島を覆っています。
東京電力と損害賠償交渉をしているある業界団体が、その都度はぐらかし、先延ばし、時間稼げをする東電体制に業を煮やしたのか、せめて担当者を固定するように申し入れたそうです。東電側は例よって「誠心誠意」を口にしながら、回答は先延ばしでだったようです。
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テーマ:ほっとけない原発震災 - ジャンル:政治・経済
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