
福島県相馬市の山間部、畜産と高原野菜の地域です。 畜産も大型化するにつけ、糞尿の処理が問題になってきました。このような業種は糞尿を発酵や乾燥をさせ堆肥として販売します。しかしよそに売れなかった分は、地域内の田畑に入れさせてもらいます。したがって、一般的な野菜や米の産地より有機物が多めに投入されています。
過剰投与によって、いろいろ問題にもなりますが今回は適正量の話は特に触れないで「放射能」の話題です。 このあたりは比較的放射線量が高く、米についても栽培はしない方針になりました。放射能の問題だけではなく風評被害も関係しますが。 水田は耕運だけして赤い目印をつけて、作付けしない意思をを表示しています。

うっそうとした里山や水田の周囲の雑草のなか、何も植えられない水田は広がるのは一種異様な風景です。
この地域でも果樹や野菜から放射能が検出されています。先にも書いたように畜産地帯と言うこともあって、何れもかなりの有機堆肥が入っています。そのなかで、作物から放射能が検出されるケースとされないケースがあることが分かっています。 検出される、されないの違いを調査しています。堆肥が投入されると放射能の植物体の移行が少ないと言われていますが、通常の栽培よりも一桁多い投入を(結果的に)していても、移行量が色分けできるとすると当然堆肥の質の問題になります。また、堆肥は生産資材でもあるので、肥料・土壌改良効果も問われるのは当然です。 各研究機関が相当の研究資金を使って、土壌除染の研究をしていますが、処理コストと処理後の土壌の状態が問われてきます。この検証がないと実用化技術ではなくなります。

先の、「福島県農林地保全再生対策室」が発表した、EMオーガアグリシステム標準堆肥の放射能移行抑制効果ですが、この地域でもその堆肥を使っている農家からは、ほうれんそうなど露地野菜から放射能が出ていないといわれています。被害農家には大変失礼な話になりますが、検出された農地と肥料構成について精緻な情報収集が必要になっています。
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テーマ:ほっとけない原発震災 - ジャンル:政治・経済
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