
福島県の中央部須賀川市、きゅうりの産地です。内陸性気候で冬は冷え込むため、きゅうりの生産は春から秋までになります。 ここ石井さんの農場では、それ以外の時期はレタスなども栽培しています。農業を志す元コンビニの店長さんを通年雇用し、男性二人の作業で有機農業を営んでいます。
震災と放射能災害を撮っている、アメリカのドキュメンタリー制作会社をお連れしました。ハウスの生りたてのきゅうりの美味しさにとても驚いていました。

それはそうです、ただでさえ大味でおいしくないアメリカの野菜。それに比べて繊細でおいしい日本の野菜、須賀川と言えば日本を代表するきゅうりの産地。しかも、石井さんのきゅうりはその中でもおいしいことで評判です。地元の直売所でも看板農家こだわり野菜は有名です。 石井さんは以前アメリカのメリーランド州に住んでいたことがあるそうです。向こうの野菜はとにかく不味いとアメリカのクルーと話も弾みます。
日本に戻り建設関係の仕事をしながら、本を片手にEMの勉強を始めました。実践は一個のプランターからだったそうです。 お父さんの出身地を頼って、埼玉から福島に移住し本格的に農業を始めました。
山あり谷ありの人生で、多少のことには驚かなくなっていましたが、昨年の今頃は放射能災害の影響で「茫然自失」だったと言います。
まだ放射能や風評被害がもとに戻ったわけではありませんが、農業の生産計画は一昨年通りに戻しました。こちらも責任重大です。

ハウスのきゅうりが生りだしました。その後を追うように露地きゅうりの苗を仕立てています。南瓜の根にきゅうりを接いで今度はきゅうりの根を切り落とします。そうすると根は南瓜でも枝葉、実はきゅうりです。 元コンビニの店長さんも、すっかり慣れた手つきで作業を進めています。 これからは夏に向けて向けて、忙しくなる一方です。たかがきゅうり、されどきゅうり、1本のきゅうりにもいろいろな人生が詰まっています。
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テーマ:食の安心 - ジャンル:地域情報
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