福島には田村郡三春町と言う地名があります。梅、桜、桃の花が同時期に咲くので、三つの春が来る所だそうです。 三春は日本3桜の一つに数えられる「三春の滝桜」が有名です、樹齢1000年を越す「しだれ桜」は映像等でよく知られているところです。 三春は戦国大名「田村氏」の城下町、NHK大河ドラマで歴代最高視聴率を誇る「独眼流正宗」で有名になった「愛姫」の出生地です。田村氏の姫として伊達政宗の正室になったのですが、大河ドラマで愛姫を演じた桜田淳子がその後統一教会のスキャンダルに見舞われ、永年高視聴率の人気番組でありながら「独眼流正宗」が再放送されなかった原因と言われています。因みに伊達政宗役は後のハリウッドスター渡辺謙、当時は無名の若手でした。 そのせいか、東北に縁の深い渡辺謙さんは奥さんの南果歩さんと東日本大震災復興支援活動に熱心です。
さて農業の話題、今年は冬が寒く春の訪れが遅れ、例年だとほぼ1週間間隔で開花する果樹の花が、ほぼ同時期にに咲きました。また、梨なども花を追うように葉がでてきて、遅れを取り戻そうとする生命の力強さが感じられます。まさに、自然の中の農業と言うことが実感できます。

あでやかな桃は、福島盆地を桃色に染めてゆきます。桃の花にばかりにも気を取られてはいられません、ある程度花を落とさないと実が付き過ぎで果実が小型になります。

梨の花は、梨棚に雪が降ったような厚みのある白い花です。荒地でも栽培は可能ですが、果樹の中では多肥系です。

りんごは葉が先に出て、後を追うように白い可憐な花をつけます。葉の緑と白い花のコントラストが独特の風景を作ります。 梨ほど肥料は必要としません、過剰に肥料を与えると葉ばかり茂り、秋になっても果実が赤くなりません。

これはさくらんぼの花、「桜桃」の花というのが正式でしょうか? ソメイヨシノなど花を観る桜とは、同じ「バラ科サクラ属」要は同じ系統の樹木ですが、品種改良によって観賞用と食用、異なる用途になりました。とは言え同属の植物、観賞用の桜にも小さな実ををつけています。
青森のりんご、山形のさくらんぼ、山梨の桃、鳥取の梨など果実の産地は多いのですが、このような数多くの果樹が花をつける地域を私は知りません。 さらに、葡萄、洋梨、柿など四季折々の果実が栽培されている福島。市場流通の外にも直送や観光果樹園などさまざまな業種・業態を形成してきました。
放射能災害により、文字通り「降って湧いた」ような農業の危機のなかで、四つの春が福島の果樹園を彩っています。 ほんとうの春よ来い、木を持って移動できない果樹農家のの願いは切実です。
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