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里山の放射能
工藤5
伊達市と相馬市の境、宮城県とも近い阿武隈山系の里山相馬市玉野地区。雑木林、杉や松山が広がります。
約15年前この地区に土地と山林を借り、自然農法による農業を目指して移住したと言う工藤さん。こだわりきのこや山菜などで生計が立つ様になるまでは相当の苦労があったことは容易に察せられます。

今は住居周辺にきのこの発生舎や山菜を栽培する畑、原木や菌床の育成室が点在し、豊な自然の中楽園のような別世界になっていました。
生産するきのこや山菜の他にも、趣味だという山野草が咲き誇っています。林の中の泉から流れ出る水辺には水芭蕉が咲いていました。
水芭蕉9

福島駅からここまでは約1時間、福島市内では散っている桜もここではまだ蕾、梅も咲いていませんと言うことです。自生蘭の一種「エビネ」もまだひっそりと花を咲かせる時期を待っていました。

私たちが運用する農業用SCMシステムについて福島県の農林水産部林業振興課が着目し、希少価値があり高品質ではあるが、販路がない「こだわりのきのこ類」の流通システムをSCMで担っていただけないかとの打診があり、それ以来(財)福島県きのこ振興センターなどと工藤さんのような農家ともお付き合いさせていただいてきました。


東京や横浜の高級スーパーやデパ地下で、販促をしてきた「こだわりきのこ」。そうした永年の苦労も放射能災害ですべて吹き飛んでしまいました。
不可能とされる山林の除染に取り組みながら、里山の再生を期す工藤さん。除染技術も販売再開もお役に立ちたいとは思っています。
いろいろな意味で、あまりにも深い傷を負ってしまった福島県の中山間地と里山。きのこはセシウムを集めやすいと露地においた原木はすべて汚染物質として廃棄しなければなりません。
しかも焼却など個人で処理するのではなく、建設の目処も立たない「中間貯蔵施設」の完成を待ってそこに貯蔵(?)しなければならないとのこと。それまでは「適宜適切な自己管理」をしなければなりません。管理せよと言うA-4版1枚の通達を出す方はいいのですが、出された方は管理の仕方も分かりません。経済価値の失った生産物や生産資材をコストをかけて保持・管理をしなければなりません。

椎茸3

本来ならば収穫時期の自然発生椎茸が、ホダ木にまとわり付くように収穫されることなく傘を広げていました。一昨年植菌したと言う大径木のホダ木に重量感のある肉厚の椎茸です。
これをパートさんが収穫して、乾燥機で重量を10分の1ほどにして中華料理等の食材として出荷します。ここまで管理して収穫できない工藤さんも痛手ですが、職場も限られる中山間地でパートの仕事もなくなる方々も大きな痛手です。
乗り越えなければならない課題が、里山どころかアルプスのようにそびえます。

「連休中はお電話でのご対応はは停止させていただきます」東京電力福島原子力補償相談室の対応です。
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テーマ:ほっとけない原発震災 - ジャンル:政治・経済

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