
「花冷え」とはよく言ったもので、肌寒い週末でした。 トマトも、ビニールハウスの中のシートを2重に掛けた小トンネルの中で寒さをしのいでいました。ビニールハウスの中もビニールカーテンで仕切られているので、合計4重の防寒対策になります。
こうして育てられたトマトは、6月には初夏の味覚として食卓に上ります。これは自然農法交配の「紅旬」と言う品種で、大手種苗の品種のように大量流通はしません。こだわりの品質として「安心情報」とともに売られて行きます。
自然農法といえば、薬剤の大量投与や化学肥料なく有機質など自然に近い技術で農産品を育てる手法。食品だけを対象にするわけではありません。 大内俊之さんの「スプレー菊」、花は食品である野菜などより強力な農薬を多用してきました。効率よく面積の制約のある温室で栽培できるように、連作(同じ品目を連続して栽培する)をしていますが、よれにより立ち枯れなど連作障害も顕著になっていて、連作障害の抑制のため強力な薬剤による土壌消毒を多用してきました。 土壌消毒の薬剤が使用禁止になったあと土壌中の微生物を増やすことによって、健全な栽培土壌を確保し連作障害を防ぐ手立てを講じた大内俊之さん。 苗も購入せずに「挿し苗」という自前で苗から作る方法も支障なく実行できて、以前よりも相当のコスト抑制も図れていると言うことです。
 花は風評被害が無くていいですねと言うと、さすがに「地元では花は売れなくなった」と言います。放射能災害による打撃により、生活の中に花を飾るような余裕が無くなってきているではないかと言うことです。確かに今の福島は「生活に花」どころではありません。
 この業界特有の逆風もあります、重油値上がりはとてつもない経営上の試練だそうです。 でも、多くの同業者が連作障害を克服できずに廃業して行くなかで、微生物を中核にした自然農法技術で花栽培をを存続できることをほんとうに喜んでいただきました。
 ハウスの片隅に山と積まれた乾燥した葉など輸入品の粗大有機質、残念ながら福島では落ち葉利用などが当面できません。このような粗大有機質を入れても、土中微生物あるいはEMペレットなど微生物資材を混入することにより発酵分解が促進されます。ですから、ハウス栽培・連作に付きまとう高濃度の硝酸態の緩和も容易です。すべての場合でEM発酵鶏ふんの使用が良い訳ではありません。
別に花や施設栽培に限ったことではありませんが、このようの資材提供や技術指導が実は私の本業です。
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