スーパーマーケットの業界団体にいる知人から連絡が入りました。同団体が実施した小売各社に実施したアンケートについて情報を頂きました。 積極的に福島産の農作物を取り扱うところは少なく、一般のスーパー等リアル(実際に商品を並べる)の小売業態では、「まだ消費者の理解が得られていない」と言う判断で事故前のような品揃えには、まだまだ至らないようです。 通販では「福島産を扱う」と言う反応が多少あったといいます。通販は在庫を持たない、つまり注文が来なければ仕入れを起こさないので、「売れませんでした」で事が終わってしまいます。意地の悪い見方をすれば「被災地支援」だけを大々的に打ち上げ、商売上のリスクは負わない事になります。したがって「風評被害」の実態はまだまだ根強いといわざるを得ません。
 福島県伊達市 無事に育っています。これから蔓を伸ばします。
4月の中旬を迎えますが、福島ではまだ桜が咲きません。平年より1週間程度の遅れでしょうか。それだけ今年の冬は寒く長かったといえます。春の農作業も遅れ気味ですが、遅ればせながらきゅうりも育ってきました。 燃料の高騰もあって、苗つくりや植え付けも例年より10日程遅くしています。
 葉の周囲が少し縮んでいるは寒さに会っているからです。これから暖かさとともに、すくすくと伸びます。
福島では先週強風が吹き荒れました。ビニールハウスも被害を受けました。一箇所でも風を抱いてしまうと、パラシュートのような現象で、被害は加速度的に広がります。そして人間はじっと風が止むのを待つしかありません。 そのようにして育てた野菜が、風評により売場に乗ることすら制限されます。 「風評被害と呼ぶことを止めよう、風評による被害者が農家ならば消費者が加害者になる」先月のあるシンポジュウわけの分からない講演をしていた研究者がいました。この非常時になんと安易なロジックを考えることよとあきれて聞いていましたが、加害者の存在しない被害というのもこの世にはたくさんあります。 しかし、原子力災害の風評被害には加害者が存在しないかと言うとそうでもなさそうな気がします。 何を表明しても、国民から信頼を得られなくなった政府機関、あるいは無為無策をまる出しにしてしまった御用学者たちの研究機関。
福島の農家の苦悩と苦闘は、まるで「底なし沼」のようにのように、まだまだ続きます。
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テーマ:ほっとけない原発震災 - ジャンル:政治・経済
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