
有機質を微生物で発酵させ、肥料や土壌改良に使う資材を「ぼかし」といいます。農業に関係ない方々とっては耳慣れない言葉かもしれません。農業、特に有機農業にとっては欠かせない技術です。 米糠が発酵しやすく、原料の調達コストも安いのですが、何せ福島は水田が汚染された関係で米糠の使用も汚染状況を測りながらになります。
そこで全国のEM関係者からボカシを送ってもらう活動をしています。26日の日曜日は大阪のNPO法人よみがえれ!かんきょうの三重野さんと岸さんがわざわざ福島まで視察に来られました。

雪の上での除染作業、樹皮の剥ぎ取りを見ながら、送っていたぼかしが役に立っているのかいないのかとても気になる様子でした。はっきり言って「とても有効に使わせていただいております」と言う回答に逆に大変喜んでいかれました。 樹皮の剥ぎ取などは対処療法の最たるもの、土壌のセシウムの生産物への移行をするなくすることが何より重要です。微生物の塊のような「ぼかし」を土壌に入れることによって土壌を豊にし、セシウムの吸収を抑制します。
大阪の皆さんをはじめ、全国のご協力いただいている皆さんにくれぐれもお礼を申し上げてくださいと、遅ればせながらお二人にメッセージを託しました。

ここ大内果樹園さんも、雪が融けたら直ぐ撒けるようトラクターに散布機をつけて準備中でした。 福島県では環境省との折り合がはつかず、農地除染の補助対象は大型トラクターに着けたプラウという機材で反転耕起(土を上下逆にすること)し、ゼオライトという鉱物を入れることだけとのこと。そのようなことは、樹木のある果樹園では出来ようがなく、水田や畑作でも対象地は限られます。深く掘って石でも出てくればにっちもさっちも行かなくなるという農家の嘆きは的を得たものです。
空間線量が下がればいいのは居住空間の話、食糧を生産する農地はそうは行きません。「素人は考えてもそう思います」と言う言葉を残し、三重野さん岸さんは大阪に戻られました。遠くまで本当にありがとうございました、今後ともよろしくご支援下さい。
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テーマ:ほっとけない原発震災 - ジャンル:政治・経済
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