5月11日は、東日本大震災からちょうど2ヶ月です。 今日からこのブログがWebエコピュアにリンクされたそうで、有機農法や有用微生物群、食の安心・安全にご興味のある方にもご覧頂く機会が増えたかもしれません。
地震・津波・原発事故・風評被害、さまざまな困難に直面している東北そして「ふくしま」。 今まで営々と築き上げてきた多くのものが、次々と壊れてゆきます。でも、そこから再起しようとする姿もあります。混迷の「ふくしま」からのリポートです。
今日は久しぶりの雨になりました。このところ空を見上げる余裕もなく「いつ以来の雨だろう」と記憶を辿っています。気がつけばピンクの桃や白いリンゴや梨の花もすでになく、果樹園もみどり一色になっていました。
写真は福島県伊達市の田中壮介さん、「伊達」は宮城では?聞かれるのですが、そそもそも伊達政宗の伊達氏は福島県北部が発祥の地です。平泉を攻める源頼朝の軍に同行した常陸の国の武将が、合戦の功によって伊達の地を与えられたのが伊達氏の開祖とされています。 おおよそ千年近く前の出来事ですが、千年に一度のといわれる災害でこの地も揺れています。

田中さんはほうれん草・小松菜を通年一貫生産する専業農家、私の方の生産・物流システムで東京へも送っています。 例えば高島屋の二子玉川店様は、盛夏の一時期を除きこの野菜のコーナーを設けるほど多くのお客様に支持されていました。この地域の露地のほうれん草、小松菜は出荷規制になっています、むろん田中さんのものから検出されているわけではありません。 出荷したくともできない状態、今日も雨の中伸びた野菜を草刈機で刈り取っていました。 現在の耕作面積は約4ha、行政は画一的に「刈り取った野菜は1ヶ所ににまとめて指示があるまで保管しておくこと」と通達を出していますが、「4ha分の野菜をどのように保管するのか理解できない」と言います。 出荷できないからには収入は0です。機械や施設の焼却はあり、いつ出荷解除になっても良いよう播種は続けています。 毎日のように政府や東京電力の対応や被災者の怒りが報道されますが、この地域にはまだ東京電力の謝罪もなく具体的な賠償の話もありません、毎日生活費と生産コストだけが積みあがります。
がんばれ東北やがんばれ福島は実は他人からの励ましではなく、苦難のなか自らを叱咤、激励するつぶやきでもあります。どこよりも安心で、新鮮でおいしい野菜を届けてきたプライドが、いまのなんの生産性もない作業を支えている原動力です。
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テーマ:福島県 - ジャンル:地域情報
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