今年の大型連休は思いの外に人出があったとか、経済のためには確かに良いことには違いありません。 自粛に明け暮れた花見の頃には「被災地の酒を飲んでくれ」が話題になりました、ところが福島には圧倒的な品質格差でマーケットで高い評価を得ていた野菜がまだ出荷できません。

このブログでも何度か紹介した田中農園さん、この冬のほうれん草を山形大学と開発した画像解析による食味診断システムで分析したところ、例えば甘みを測る指数でスーパーで売られる一般品の約2倍の数値が出ました。 あのおいしいほうれん草が食べたい、とご要望は多いのですが、まだ出荷規制が解除になっていません。 田中さんのほうれん草の放射線量が多いわけではありません、エリアのほうれん草で規定以上の数値化検出されているということです。その数値が検出された生産地は公表されていません。 消費者の安全確保が最優先ですが、それにしてもただただ解除を待ち続ける農家の心労は大変なものです。 畑では通常より伸びたほうれん草が減農薬栽培ゆえ雑草に巻かれて、収穫ではなく廃棄を待っています。

つい先々月、NHKの取材に笑顔で答えていた田中さん。放射線の抑制技術開発の試験協力も快くご協力いただいています。笑顔での会話にも少し元気が感じられません。 たった2ヶ月で、痩せて白髪が増えた印象です。田中さんばかりではなく多くの農家や関連企業、福島県の生活者は同様の苦労を強いられながら頑張っています。 そういえば青空を泳ぐ鯉のぼり、今年は心なしかあまり見かけません。それとも私のほうが、空を見る余裕もないのでしょうか。
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テーマ:福島県 - ジャンル:地域情報
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