共同研究先の東北大学農学部が、仙台市街地から青葉山の中腹に移転、工学部などと隣接することになりました。 移転以来2度目の訪問なのですが、午後1時の予定時間より少し早く着いたので昼休み時間に周囲を散策。

上ってきた坂の反対側を降りると(おそらく)広瀬川河畔に、古風な建物と落水のパイプで小規模ながら水力発電所のようです。立て札を見ると「日本最古の水力発電所」とありました、入場無料の記念館も併設されていましたが時間の関係で、入場はしませんでした。

日本最初の水力発電が東北にあるとは知りませんでした。紡績工場の動力源と電気化学によるカーバイトの製造を目的に設置され、その後に一般家庭などの電気供給い事業が映ったようで、この施設の反対側には東北電力の営業所。それらの施設も東北電力で管理しているようです。
カーバイトの方は光源から化学肥料の方に発展したようで、戦前最大の化学工業で化学肥料製造の日本窒素の母体になったようです。日本窒素はチッソと名を変えて「水俣病」を引き起こし、現在は事業は子会社に移管し補償のために存在するとまで言われています。
電気を動力源にする紡績もカーバイトも窒素肥料も、当時は先端技術だったのでしょうが、今は往時の繁栄は見る影もありません。このような自然エルギーを利用した発電は非効率と、先端技術と称された原子力に電力会社は走りましたが、廃棄燃料の処理さえままならないものが先端技術と言えたのかどうか。 原発事業の再編を目指す東京電力のプランに、地元で稼働するものは地元の企業が管理すると東北電力は(今のところ)拒絶したとのこと。
原発事故の廃炉と賠償に追われる東電と、かつての先端産業チッソが被って見えます。
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