東北の梅雨入りはまだですが、かつてここの里山は忙しい季節でした。 3月から5月の連休頃に、「ナラ」「クヌギ」などの落葉樹を1㍍程度に切った原木にシイタケの菌を埋め込みます。植菌した原木は林の中に横に並べて「仮伏せ」をしておきます、それを「井桁状」にあるいは、斜めに組んで「ヨロイ伏」と言われる状態にします。こうして風通しを良くしておかないと、植菌した原木とは言え表面にカビや雑キノコが生えて、肝心のシイタケ菌の伸長や発生が阻害されます。
ところが、震災での原子力災害での3重苦が起きました。ナラ・クヌギの生木の汚染、ホダ場と言われる原木置き場の汚染、そして原木の汚染によるキノコの線量の問題。これらはコストを掛ければクリアできますが残るは風評の問題。

使うことが出来ない原木は低線量とは言え、舞い落ちてきた放射能が付着した可能性がある廃棄物。持ち出す訳にも行かず「各自適切に保管」の通達により、ホダ場の中で積んでおくしかありません。
杉林の中で、朽ちて行くのを待つばかりのようなの植菌したシイタケのホダ木。往時の活気のある作業が消えて6度目の梅雨が来ます。
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