今年の田植えは、順調に進んでいるようです。平均気温が高く適度の降雨もあるため水不足の心配もありません。思えば震災の年以降大雨あり水不足ありで、スムーズな田植え、刈取りの方が思い当りません。去年は稲刈り近くに9月に水害、流入した砂の上で倒伏した稲を刈っている個所もありました。

苗が植えられ、青空を映した水田も見ると「これぞ日本と言う気にはなるのですが、現実はそれほど甘くはないのが実態、収穫減になればそれだけ収益が減り、全国的な豊作になれば過剰供給で米価の下落をもたらします。

代々受けつがれてきた水田も「来年の事は分からない」と、なんとも心細い声が聞かれます。この保水効果や、鳥が虫をついばむ自然の保護を金額に換算すれば大変な金額になるのですが、最近の新聞でも「多面的機能より経済効率」などと言うようになりました。もっとも日本経済界の機関紙とも言われる日経新聞ですが。 「コンクリートから人へ」と耳触りのいいフレーズで、結局何もなしえなかった旧民主党政権への反発もありますが、目先の経済効率を追うあまり「燃費をねつ造」などと、とんでもないことが出没する事態だけは願い下げです。

田植えから活着まで、つまり苗を水田に移してその苗が自分の根で水田の養分を吸い上げれるようになるまで、禁物なのは寒さと風。風も植え傷みの原因になります。自然の中で寒さも風も防ぎようがありませんが、今年はそのリスクが少なくて済みました。 福島県産米は原発事故からの風評被害で、まだ東京のスーパーでは「棚」つまり売り場から外されている様子。順調な天候が何とも物悲しいことにもそんな初夏です。
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