永年農業の生産現場を見ていて思うのですが、生産性の向上例えば生産規模の大型化のための「機械化」ならば必要なのですが、老齢化つまり農業従事者が年を取ったので、作業が楽になるように「機械を入れましょう」。と言う風潮の方が、強いように見受けられます。 むろん作業が楽になる、高齢者でも農業が続けられる、と言うのは極めて望ましいことですが。

しかし、もう少しマクロ的に見ると、「経営上の設備導入の限度額は超えていないか」「適正規模の投資か」と言う点から見ると、経営上の常識からして「過剰投資」に当る事例も見受けられます。農家の言葉を借りれば「年金ブッコミ」、つまりり農業機械購入の原資は 年金だったりするのですが、「年金によって働く喜びを満喫できるのでよいのではないか」と言う声もありますが、年金の性格上からすると如何なものか。もっとも、何であれ消費にカネが回るので経済循環からすると望ましいことも事実なのですが。
今の時期、水田の作業や出番を待つ農機具。トラクターは後輪キャタピラーの水田タイプ、後ろのアタッチメントは畦畔に使う通称畦塗機、水田の畔(あぜ)に内側から泥を押しつけて固める機会、これを人力の鍬で行うのは重労働ですが機械化しても使用するのは年に何日か。人力は論外としても他に何か方策はないものか。

コメの価格からして、米作農家の設備投資は大変だろうと、それこそ「年金ブッコミ農業」の前途を憂い手いると水田の中に歩行用トラクター、いわゆる「耕運機」を見つけました。ディーゼルエンジンの型からして4、50年前のものか、最近水田や圃場でもトンと見かねなくなりました。以前は、春の田植前の水田は「耕運機」の展示会のようなものでしたが。 労働生産性からいえば、逆に水田農業にはマッチしないとと、過去の遺物のような扱いになるのでしょうが、自分の食い扶持は自分で作る的な農業で、経費を掛けず有る農器具で生産活動をすると言うのはむしろ常道。このような農機具の活用をもっと見たいものです。
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