震災から6度目の春も、うららかと言えないまでもずいぶん春らしくなってきました。そういえば「雨」の少ない春です。

震災で道路が陥没にマンホールが浮き上がり、コンクリートの電柱が左右に傾き、まるで「ゴジラの通った後」と表現した通りは、一応整備されて、何もなかったような佇まいです。あのころからさらに伸長した街路樹の根元には、近所の住人が植えたらしい黄色スイセンの花が、まだ冷たさの残る風によそいでいます。花の時期からするとセイヨウスイセンか。
ところが、その道の先に進み、住宅地から果樹園に抜ける辺りでは工事中。無粋な交通規制と言ってしまうと作業員の方に失礼です。ここは「復興住宅」、被災地に戻れない避難者の新たな生活の場となれば多少の不便さに文句を言う筋合いはありません。

ある意味、最もシンボリックに被災を象徴する工事かも知れません。こちらの工事も無地に順調に進んでほしいものです、完成は今年の秋と聞きます。高層の団地ではなく分譲や建売形式のよう、となれば避難者の方の執着地がようやく見えた場所か。ここに落ち着くことに、また葛藤もあるのでしょうが。
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