本来ならいま最も忙しい時期の柿剥き作業、10月下旬からもぎ取りが始まり、12月上旬まで皮を剥き干し場に下げ干燥させて「あんぽ柿」として出荷します。 放射能災害以来2年の空白があり、一昨年に加工を再開順次検査体制を拡大して今年が再開3年目。あるメディアがオレンジ色に下がる柿の写真を掲載していたので、よく見ると岐阜県。一旦マーケットから消えた商品を「復活」させることは全く大変です。 まして「風評」の問題があるので、ゼロからの売り込みより相当ハードルが高くなります。

商用の農産物である「柿」が、加工する前であろうと畑に打ち捨てられている状態は悲しいものです。放射能災害以来見慣れてきた「光景」ですが今年も目につきます。
現実的な問題として、加工する農家も、約一か月に集中する「皮むき」「燻蒸」等の作業のために労働力を確保しなければなりません。永年の習慣で「人の確保」を行っていたのですが、休業せざるを得なかった期間に、労働力はほかの仕事を探し定着すると元に戻ってくれません。「あんぽ柿の仕事に来てよ」「ごめん、他の仕事探した」で話が終わってしまいます。

風評被害の原因になる「安全」と「安心」は別のもの、安心は人が判断する主観的な物で「検査をしました」では終わりません。検査体制を整えたので「元通り」とは行かない、また憂鬱な「初冬の風景」です。
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