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大晦日
今年も暮れます、明日から新年。良い年でありますように。

年が明ければ震災から5年の大合唱、その節目が終わるとおそらく「記憶の風化」が進み、4年後の東京オリンピックを見据えたリオオリンピックモードになるのでしょうか。

忘れられることが良いのか悪いのか。新しい情報のインプットが無くなると、連日報道されていた2011年3月4月の頃の記憶だけが残り、戦場・焦土の様な事故現場と戸惑う避難民が福島の印象になって残ります。

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その福島は、至って静かな大晦日。スーパーも正月用品を求める人で賑わっています、さすがに除染も復興住宅の建設も休み。
スーパーの干し柿売り場は全国各地の干し柿が並びます。事故前の全国一の干し柿産地だった頃の売り場の物量は見る影もありません、どちらかと言うと「特産品」の干し柿でもこれなので、全国が産地で毎日食べる「コメ」の販売苦戦は想像に難くありません。

「風評」に加え「風化」とも戦わなければならない新年は明日から始まります。

今年1年ありがとうございました。
どうぞ、よいお年をお迎えください。




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歳の市
スーパーやらホームセンターで門松や正月飾りが売られるようになっても、神社の境内の「歳の市」は季節の話題として必ずテレビ局もやって来ます。

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先日ついにアマゾンが「葬儀について坊さんの手配も行う」と言うことに対して日本仏教界会が反発と言う話題が出ていました。信仰に関係なく儀式用にパートタイムが如く僧侶の投入とは、「仏の教えのとは別次元の話でで宗教の根幹にかかわる」と言うことでしょうが、しからば「葬式仏教」「観光仏教」にしたのは誰だ!といいたくなります。
私の知る限り、ネットのサイトで「神社のお札」は売られていませんので、由緒ある(氏子を抱えた)神社の境内は有効なビジネスゾーンなのでしょう。もっとも、1年間拝んだお札やら破魔矢などの縁起物を納めて新し歳神様を埃を掃った神棚にお供えすることくらいしないと、新年を迎えるモードに入って行き来ません。

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先日このブログで紹介した正月の縁起物、難を転じるの「南天」を紹介しましたが、蓄財に通じる「千両」とあわせて歳の市でも売られていました。植物的には同一品種でもスーパーのフラワーショップのものよりは御利益がありそうに見えるのが不思議です。結構いい値段で売られていました、まだ輸入物ものまでは出回って来ていないのでしょうか。

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詳細調べたわけではありませんが、境内の歳の市の正月飾りは、昔からの「農家の副業」的な藁加工品なのでしょうが、スーパーやホームセンターの商品ともなると格安の輸入品。そのなかで、国産稲わらによる「ブランド品」を謳いにした松飾があり、よく見ると放射能検査付。稲わら加工品でも「非食品」にまでこのような検査をして、表示して「割高ですけど国産でしかも検査済み」で売り出す姿勢は、さすがの商魂とともに「原子力災害の根深さ」を改めて思い知らされます。

肝心の事故現場の収束や廃炉も、ロボットなど先端産業を開発し世界の英知を結集してと言いながら、野生のキツネが紛れ込み事故現場を闊歩している体たらく、しかも侵入経路は不明と言う情けない状態で、先々が思いやられます。
侵入したのがサルならば時節柄「新しい年を迎える」という洒落にもなるのですが、残念ながらキツネ年は干支にはありません。決して騙されるなと言うお稲荷さんの使いキツネなのか、福島稲荷神社の歳の市で考えた次第です。


福島は広い
全国的には珍しいのだそうですが、沖縄同様福島も有力地方紙が2紙あります。
もともと地元資本ですが、今は中央紙の資本傘下に入って「毎日系」と「読売系」。大震災の後は原子力災害の後始末も含めて、「とてつもない一大事」のスタンスで、政権にも東電にも物申す!姿勢で、論調もそう変わりはなかったのですが、震災から五年目を迎える時期になって、なんとなく相違が見られる様になりました(もちろん私見です)。
環境省の「山林除染はせず」の発表に対し、読売系は「事態が事態なだけに仕方がないか」に対して毎日系は「他人の土地を汚しておいて、広いので掃除はできません通るのか」と言う論調(に私は聞こえます)。年末なので、この件はまた改めましょう。

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年末の寒さも3日目、朝から小雪が舞い「スキー場は待ちわびた雪に安堵」のニュースを見ながら同じ面内のいわき市に行くと光が降り注ぎます。丘から太平洋を眺めると船が浮かんでいます。ユーミンの唄う「海辺のドルフィン」「ソーダ水の中を貨物船が通る」の世界ですが、なかなか進まないところを見るとおそらく調査船。
青い空と海と静かに浮いている調査船と手前では、復旧工事の喧騒が続いています。喧噪でもなんでも「復旧」「復興」が進まないことには話になりません。

スターウォーズ「フォースの覚醒」が世界的にとんでもない人気のようで、実は私も偶然にも講演タイトルに「~被災地の覚醒」なる文言を使うこともあったのですが、どうみてもパクリにしか見えないので、この映画の封切り以来使うのをやめました。

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福島と言えば、SF特撮のスターウォーズならぬ「ゴジラ」の生みの親、円谷英二の出身地。各地にゴジラあやかりのオブジェがあります。今回のスターウォーズから、ルーカスフィルムを離れてウォルトディズニーに制作権が移ったとのことで、資金がより潤沢になってCGなどの製作費もよりカネをかけていると言いますが、CGなど無かったころのぬいぐるみやピアノ線吊るしのゴジラもそれ相応の迫力がありました、子供の目線でですが。
子供の目線と言えば、アニメ映画「妖怪ウォッチ」も興行収益において善戦中とのこと、カネがなくとも戦いは出来る「がんばれニッポン」。
寒い日 2
御用納めの日です。人並みにあいさつ回りをするようになりました、もっともあいさつ回りはお取引相手ではなく日ごろお世話になっている支援機関と言うのが何とも情けないところですが。

原発事故前だと、今時分は暮れの需要対応とデパ地下の2日からの初売り用に「新鮮野菜」の準備・手配に大わらわで、「暮れも正月もない」とうれしい悲鳴を上げていたのがウソのようです。
契約農家もお屠蘇もそこそこに、正月向けの出荷対応を喜んでしていただけました。青果市場の止市から初荷までの間は、店は開けど入荷無しの時期に、品質自慢の新鮮野菜がジャスト・イン・タイムで入るとあって、それは引っ張りダコでしたが。

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福島県の外郭団体「産業振興センター」の話でも、県内の食品産業は軒並み苦戦のようです。トピック的に「海外で金賞受賞」などのニュースが飛び込んできても、どうも継続的なビジネス委は繋がらないようです。
5年前と変わらないのは雪を頂いた連山のみ、と言うのも何ともむなしいことですが。

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シベリアから、白鳥も変わらずやって来てくれます。鳥インフルエンザ以来渡り鳥など、野鳥の餌付けがされなくなり、餌まき場に群れを成す白鳥と、おこぼれに預かりたいカモが競って餌を啄ばむところはなくなりましたが、川面には白鳥が餌を探している様子、これが本来の姿かもしれません。

派手な餌まきに目が眩まなければよいのですが、もちろん人間界の話です。


寒い日
暮れも押し迫って雪が降りました。暖冬と言われた冬も本来の寒さです、積雪はありませんが午後になっても果樹に貼り付いた雪が融け落ちません、今日の寒さを物語ります。

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本来の寒さが来ると、生活上は困りますが少々安堵するところもあります。世界的な異常気象、今年のクリスマスイブのニューヨークは半袖の姿だ出るほどの暖かだとの報道ですが、異常気象は農業にとって大敵です。寒いとき寒く暑いときには暑くないと、気温変動や渇水・大雨などの予兆になります。

実はこの寒さの中、友人の奥様のお葬式。姉さん女房だったことを初めて知りました。
去年も年の瀬の、ちょうど今頃お葬式がありました。去年はお取引様のご母堂、百歳を越えた大往生でしたが今日の葬儀は年齢はその約半分。

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若くして病魔と闘っていました、それから解放されたのがわずかな救いか。1男2女が立派に成長していた様子が見て取れました、ご冥福をお祈りしてきました。年の瀬の慌ただしさ、テレビも特番ばかり「質が高い」とは言えないバラエティが続くなか、悲しみのうちに越す年もあります。

年の瀬の話題
クリスマスも過ぎ、今年もカウントダウン。
大震災からもうすぐ5年、新しい節目で新時代を切り拓きたいところですが、暮れのあいさつ回りでもマスコミが伝えるニュースもどうもパッとしません。

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国勢調査によると福島県の人口は戦後最低になったと言うこと、戦後と言っても70年経ちます。社会構造が違っているのでそれ以前との比較は困難なので、相当深刻な状態です。少子高齢化、人口減少の先駆けですが、あまり有り難い先駆けではありません。
避難と除染作業等の作業員流入で男女比率も相当のばらつきが出ているようです。大阪での高校生殺害の逮捕者は福島に出稼ぎに行った除染作業員と言うことがありました、性犯罪などに結びつかなければいいのですが。

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先日青果市場の関係者と話をしていたら、青果流通業者が東電の賠償を切られて困っているとのこと。それに対して郡山の青果市場が訴訟をおこし東電も請求棄却の答弁書を提出、つまりは争う姿勢とのこと。
「係争」に当事者以外が口を挟むことはしませんが、双方とも「止むに止まれぬこと」とは察しがつきます。東電にしてみれば「他県産のものの売り上げ減少は知らぬ」と言うことでしょうし、原告側からすれば被災地に立地している以上、「いちいち産地別に取引してくれるはずはない」と言うことなのでしょう。

日テレの鉄腕DASH!で知られたDASH村のあった浪江町津島地区でも原状回復と損害倍賞を求めて2次提訴と言う記事もありました。先の「営業損害」と原状回復」と「慰謝料」は分けて考える必要があります、むろん優先順位や被害の大小などに差があるわけではなく、れっきとした被害とその対策ではあるのですが、混合すると話が困難します。
除染の事も含めて「司法判断」の積み重ねて趨勢が決まるのでしょうが、裁判沙汰はあまり気持ちの良いものではありません。長くて数多い「係争」を経ないと落ち着かないものなのでしょうが、落ち着く先が一日でも早いことも願ってやみません。



カラスの糖尿病
暮れのあいさつ回り、旧知の「農家」と言うより大規模にあんぽ柿をはじめ食品加工を手掛ける「会社経営者」。そこに行くまでには、柿畑を通ります。

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原発事故以降、打ち捨てられた柿の実のことは何度となく書きました。耕作放棄ではなくそれなりに管理されている「果樹園」でもある柿畑で「柿」だけが残っている不思議。

遠目から見るとひと山紅葉のように赤く、少し近づくと取り残された柿と言うことが分かります。

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酒酔いの息を「熟柿臭い」と言うのだそうですが、その熟柿が文字通り「ひと山」単位であります。実はこれがなかなかのご馳走で樹上で柔らかくなった柿「熟柿」は、手で皮がむけ「ゼリー状」に変化した柿の実が何とも言えない甘味を出します。

雪が降ると餌を隠された野鳥の格好の「エサ」になります。ですがこれだけ多いと「カラスの糖尿病」の地元の農家も冗談を言う状態。どこで何を間違えたのか、雪の少ない年の瀬です。

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市内に戻ると、カー用遺品店の「スタットレスタイヤ」の安売りのぼりが晴天にはためいていました。
工場前
夕方に、よく通りがかる工場前。春は桜のライトアップ、夏は道沿いにちょうちん、嗜好を凝らして道行く人を楽しませます。

今は青のイルミネーション、失礼ながら「止まって撮影」するとこんなものですが、夕方の渋滞時に通りがかりで見る分については十分楽しめます。

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企業の社会貢献か従業員の士気の高揚か、企業の理念はいろいろあるのでしょうが、「良い製品を供給し利益を通じて納税」というように、当たり前の事だけでは企業文化は理解されず「大は大なり中は中なりのアピールが必要」のようです。

双葉町の有名なスローガンが老朽化によって撤去されました、老朽化は後付けの理由でしょうが。
「原発は未来の明るいエネルギー」PRのつもりが、負の遺産になることもあります。新国立競技場で再三使われるようになった「レガシー(遺産」もこれでは困ります。
難を転じる
冬至が過ぎて、庭の「南天」が赤味を増しました。
寒さはこれからですが、日脚が伸びに転じるとなると、何となく気持ちが前向きになります。

数日前テレビでも放送されていましたが、正月に飾る南天の実、南天は「難を転じる」に通じる縁起物だそうです。確かに冬の色のないところで赤い実は一際目立ってきます。

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なかなか難を転じきれないのが原子力災害。生活圏以外の除染はやらないことを決定したそうです。生活権から20mの除染は行うので「それを越えて放射性物質が流出することは考えにくい」「落ち葉等を除去すると土砂災害などの2次災害の可能性が高まる」などの専門家の分析による「科学的知見」が根拠ですが、井上環境副大臣の口調からは「費用対効果」、そんな金は出せないし処理場の確保など物理的に無理と言うことが滲み出ています。
被災地の方も一枚岩ではなく、汚染度が低ければ生活圏の除染も必要ないと言っている自治体もあるくらいですから、政府・東電の責任を問う声も知事の声明も聞いても「なんとなく言っている」程度のものでした。

しかし、それですべて済むかと言うと別の話。実は震災直前まで「自然栽培きのこ」を販売する仕事をしていました。「自然栽培きのこ」とは県の林業試験場が開発に携わった「土伏せ」と言う手法で、「菌床」を各きのこの発生に適する実際の山林に埋め込み、発生したきのこを収穫するもの。木の原木や切屑を固めた菌床栽培よりは手間がかかりますが、より天然に近いきのこになります。2011年原発事故当年には加工のうえ海外輸出の事業化も実施する予定でした。

事前に打合せをしたり、栽培計画を立てていただいた農家ならぬ林家の皆さんはさぞ無念の事と思います(我々もそうですが)。
中心的にお世話になった「飯舘村」などは帰還の目途も立ちません。帰っても「どうして生活をする」と言う肝心な問題が依然として横たわります。難を転じるとはいかない問題がそれこそ山積です。
東電の言い分
先日の本ブログ、師走の町にすっかり溶け込んでいる「除染風景」を載せたところ、「まだ、やっているんですか?」と言うメールが届きました。「まだやっています」と答えるしかありません。

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今度インドに原子力発電を売り込むとか、売り込んだとか。「金儲けするな!」とは言いませんが、「尻を拭ってからにしろよ」とは言いたくなります。
国内でも、原発再稼働の動きが目立ってきました。過疎の地域振興策で地元の自治体や議会も苦渋の決断なのでしょうが、苦渋とは反対語の「甘い誘惑に抗しきれない」と言うのは、当事者に失礼でしょうか。

各地の電力事業者、つまりは電力会社が地元へのメリットや安全配慮を強調してにじり寄るのでしょうが、一旦事あると「手のひらを返す」ような仕打ちが待っています。

福島でも賠償について「慰謝料」と「営業損害」を混同したような報道が目立ち、「パチンコ三昧」や「格差による軋轢」など、人目を引く話題が取りざたされますが、それほど生易しい状況ではなさそうです。
東電は「最後のおひとり様まで賠償貫徹」「原子力損害賠償紛争解決センターの和解案の順守」とスローガンを掲げていますが、浪江町の住民が起こしている慰謝料増額の申し立てを紛争解決センターが要求金額を減額して和解案を出したことに対して、東電は「払いません」と宣言して、そのやり取りに裁定を出した当の解決センターも「理解できない」とコメントして、さらに和解案を受け入れるように東電に勧告しているとここと。
紛争の当事者でないので無責任なことを書きますが、ならば東電も最初から「合理的とは思えない裁定は受け入れない」と宣言すべきです。もっとも、そううなれば「事故加害者たる東電が合理的云々を言える筋合いか」と言うことになるのですが。

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放射能は目に見えず、被害も歴史的な検証を経ないと「実態が掴めない」ので、除染のありかたも議論の呼ぶところですが、事故前の状況に復帰させることが大前提で、被害者にとっては費用こことは「知ったこっちゃない」と言わざるを得ません。
「血税」が云々と言う議論もありますが、先般有機肥料の偽装が発覚した秋田の肥料メーカーは企業破綻だそうです。肥料業者は破綻してもいいが「電力は別」と言うの、は少し筋が違うような気がするのですが。
突然電気が点かなくなるのは困りますが、責任は負わなくとも良いと言うことではないはずです。

さらに 2題
暖冬の師走も、風があるとさすがに寒さが身に沁みるようになりました。

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高所で何やら作業中、冬晴れに遠景の「吾妻連峰」を見る余裕もなさそうです。道路の拡張に再舗装、住宅の新築と除染作業、このような高所で除染もないでしょうが、何とも気忙しい年の瀬です。

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収穫の終わった「リンゴ畑」も落葉が進みます。リンゴ園の地表が「黄色いシート」を敷いたようになります、もっとも今の時期は過ぐに風で吹き飛ばされるのですが。
雑草の緑と黄色のコントラスト、「緑」と「黄」が以外にマッチすることが分かりました。ひところ言われて最近聞かなくなった「アースカラー」と言うものでしょうか。


師走 3題
暮れももう押し詰まって、師走半ばも過ぎ今年もカウントダウン。この前新年を迎えたかと思えば、もう過ぎ今年も終わります。何か例年と変わったかと言えば「馬齢を重ねた」としか言いようがありません。


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先週表彰式が行われた「第一回土壌微生物オリンピック(一般社団法人SRI 主催)」で懇意の伊藤博之さんが見事「金」賞受賞。
先般輝く金メダルを見せていただきました。微生物数など数値的には各部門通じでダントツだったとのこと(伊藤さんは施設部門、つまり温室の栽培土壌)、福島県人の奥床しさと言うか、押しの弱さと言うか、五表彰式で突然パフォーマンスを始めたご老人に「目立ち度」の差でグランプリは逸しましたが、パフォーマンスで農業は出来ません。
もっとも農ギャルとか、訳の分からんパフォーマンスを主導しているのが農水省だったりしていて「頭の痛い」のはまともに産業としての農業に取り組む「生産地」だったりするのですが。

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連作によってフザリュウム等の悪性微生物が増えて、一旦花を休んで野菜を植えている花農家。良性の微生物を投与することによって、有害微生物は抑制傾向だそうです。強力な土壌消毒剤は使いたくないとのことで、さまざまな工夫を施しています。慣れない「ミズナ」栽培ですが、こちらも順調に生育しています。

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福島の地場産業のようになっている「除染作業」、寒い中これも大変です。「雇用」は生み出しますが、インフラなど生産的な施設を生むわけではなく、生まれるのは負の墓標のような処理施設だけ。ロボット産業の育成など技術蓄積も謳いますが、どうも霞ヶ関発福島経由東京行きの「富の移動」で終わる形勢です。


ビニールハウスのシャワー
暖冬だそうです。夏後半の突然の冷夏で秋物野菜が順調に育たず、秋野菜は高値でしたがこの暖冬で収穫が一気に進み、逆に安値になりました。

このような天気に左右される「泣き笑い」がいつまで続くのでしょうか。
その「救世主」のように言って売り込む植物工場ですが、いかんせんコストが掛かり過ぎます。「先端技術」といいながら「ありゃ詐欺だ」と言った農家がいました。

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ハイテク技術を使わなくとも頑張る農家もいます。ニラの生産を平準化するために順々に収穫できるように手順を整えます。
ビニールハウスの中は雨が降らないので「潅水」といわれる水撒きが必要になります。水の落ち場所が斑になると、ハウスの中で生育が波打つので、平均的に水が掛かることが肝心です。
水圧からホースの配置、穴の開け方まで「工夫」が必要です。

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やや生育が進んだニラ、水が多いと生育が進みますが、軟弱に育ち病気になりやすく、何より味が落ちるので「加減」が非常に難しくなります。最近スーパーでも葉の薄いニラで、なんとかニラの香りはするもののニラの味がしない「軟弱に育った」ニラが多くありました。農家も、価格を押えられれば目先の収量増加に奔らねばばらりません。自分の首を自分で絞めると自嘲する生産者もいますが、スーパーの年末セールの目玉は鍋材料の安売りだったりしますので。

キャンペーン
風評被害の続く福島でも、比較的回復が早いと言われた「直売所」さならる売上向上を目指して「キャンペーン」の準備。
「収穫祭」にふるまう『芋煮』の準備だそうです。農家に伺ったら、芋煮の準備で直売所裏の倉庫で作業中とのこと。

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回復が早いと言っても、地場産品の他に選択肢がない直売所。首都圏等に出荷して、他の地域の産品と並べられるのとは基本的に競争の構図が違います。品質以前に「イメージ的に」ハンデを背負った福島産の重苦しさは直売所にはありませんが、季節的に同じ品目が山積みされる現状は、違う意味の競争の厳しさがあります。
つい、価格競争に走って「棄てるんだったら幾らかになれば」の心理が、安売りの売り場を増幅させます。消費者にはそれが魅力ではあるのですが。

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首都圏ではすっかりおなじみになったTOKIOのふくしまキャンペーン。福島もアンテナショップや開発した銘柄米の売り込みや利用に躍起ですが、どうも「周回遅れ」の感が否めません。風評の爪痕には長い時間とともに「起死回生」の一撃も必要です、それが「何か」と言われると困るのですが。

安達太良山
暮れのあいさつ回り、今は二本松市になった安達町。そこから郡山の磐梯熱海に向かう途中、ナビを頼りの「距離優先」で近道をしようとしたところ、趣きののある家屋が立っていました。

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それもそのはず、高村智恵子の生家。とっくに造り酒屋は廃業していて「観光資源」ですが、酒屋の名残の杉玉は吊るされています。
シャッターならぬ戸板と格子戸が往時を偲ばせます。
場所はここから50キロ程離れますが、私の実家も同じような造り、もっとも造り酒屋ではなく蚕種製造業、いやゆる蚕(かいこ)の種屋。新しもの好きの祖父が、逆にすりガラスや木戸をサッシやシャッターに換えました、機能的にもセキュリティ上もその方がいいのですが。格子戸だけはなんとか残っています。
その祖父が生まれたのが明治39年の12月12日存命ならば、とうに100歳は超えています。

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うっすらと雪を頂いて見える安達太良山、智恵子ゆかりのこの山の麓を通りながら昔を思い出した次第。
イルミネーション
震災前はかなり話題になったのですが、地区を上げてクリスマスイルミネーションを飾っている地区がありました。山間の集落です、国道から分岐にて進むと川沿いに細長い集落があり、その奥は原発事故で全村避難中の葛尾村になります。

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震災以降はそのようなロケーションもあって「電飾」の話題は聞かなくなりましたが、偶然夕方通りかかると往時とは比較にならないもののイルミネーションが散在していました。
「まあ、その意気や良し」。冬至近く、短日も意外な効用がありました。

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農業用品などを売るお店の駐車場、実はここの店舗に暮れのご挨拶に伺ったのですが、ディズニーランド並みとは言いませんがとてもきれいな電飾です。

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肥料などを入れる倉庫も光の滝が落ちるように工夫されていました。道路を挟んだ反対側が店舗なのですがこちらも負けない電飾です。

人ひとり住まない葛尾村、大地を剥きとるような除染が進んでいます。近隣のこの集落は街道の旅籠風の建造物も電飾で飾られていました。規模はともかく、その独特の風情はディズニーランドも真似できません。




ミスショット
移動の途中、幻想的な風景に遭遇することがあります。先日の朝の虹もそうでしたが。
冬至まであと10日余り、4時前には早や夕暮れの空気が漂います。信号待ちの途中、太陽に輝く「すすき」を発見。すすきも初秋の穂を出し始めたころからすると「同じ植物」と思えないほど雰囲気が変わります。師走のすすきはまさに「枯れすすき」。

夕日と言うのにはまだ早いのですが、師走の4時近い午後の太陽は何とも柔らかい光です。

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幹線道路に出る信号待ちの途中、自動車の窓を開けて何とか1枚。戻ってから「どんなすすきが」と画像を見ると、すすきの光沢は幻想的だったものの、手前に政党のポスターが写り込む痛恨のミスショット。
「民主党は肝心な時に邪魔になる」、と言う訳ではありません。たまたまですが。
大根もうまい
先日ブログで「サラダ素材」を書いたら、日本の伝統野菜「大根」もうまいとの声。
大根は「おろし」やおでん等の「煮る」にも対応できるのに加え、居酒屋の定番にもなっている「大根サラダ」にもなっていて、とくに冬の食材には欠かせません。たくあん漬けも永年日本の食文化とは切っても切れ離せませんでした。

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考えてみれば、レタスはサラダ以外と考えればあまりメニューが出てきません。その点大根、ニンジン、白菜などは「大根役者」「ならぬ「千両役者」と言うことになります。

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ところが、大根の場合無理に千両役者に仕立てたところがあります。本来「おろし」「煮もの」など適正品種があるにもかかわらず、冷蔵庫に入るサイズの「青首大根」が「味」以外の理由のところで相当数のシェアを占めるようになりました。
目的に限らず「汎用型」を専門的に生産・流通をさせることが、「効率的」と言えなくともないのですが、例えばサラダの調味料「ドレッシング」まず、好みに合わせて相当数のアイテムが揃います。
ビールと言えば、各社主力ブランドは1つで2つ目はなかなか思いつかないような状態でしたが、昨今は発泡酒まで含めると1社当たり相当のブランドが並んで、「味」の特性で売ろうとしています。
対応できる「味覚センサー」の開発や普及が前提になっているのですが、農業も「効率化」とならんで「多様化」の方も模索しないと時代に立ち遅れます。決して大型と言えない日本の農業の方が「多様化」には対応しやすと思うのですが。
もちろんコンピューティングが需要になりますが、その話題はまた何れ。

冬の帳(とばり)
ワープロからパソコン、自ら「文字」を書かなくなって相当の期間が経ちますが、国語力は相当落ちていることは実感しています。まず、漢字が書けないことは驚くほどです、おぼろげながら形は出てくるのですが。

一方、以前なら意味程度しかわからなかった文字が、「変換」で勝手に出てきてくれます。とばりが「帳」とは思いませんでした、他にも文字はあるようですが。

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さて、冬の帳の方に話を持って行きます。収穫が終わり葉も大体落ちた果樹園、梨の棚越しに夕やみ迫る吾妻連山、吾妻山の方向福島盆地の西側は、梨、もも、りんごの産地です。
まだ平地の積雪はありませんが、冬の帳が下りようとする幻想的な風景が広がります。年が明けると、その積雪のうえで選定作業が始まるのですが。

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秋の名残の取り残した梨が一つ。野鳥への布施か、わざと残しているのかもしれません。
戦後70年と言う節目だった今年も暮れます。戦中と戦後しばらく、日本の象徴のように活躍した女優「原節子」が亡くなってきました。もちろんリアルタイムでは知りませんが、前週前々週当りの週刊誌はこの特集を判で押したように組んでいました。
ここにきて原節子メモリアルもひと段落、そして12月8日は太平洋戦争開戦の日です。
サラダ素材
今時分になると、「白菜」とか「ダイコン」つまり沢庵などの漬物を自給する時期になるのですが、昨今は大型野菜でも、漬物・煮物用よりも、「サラダ素材」の需要が多くなっていると聞きます。
つまり、調理をしなくとも洗って切って「ドレッシング」をかければ料理になり、しかもヘルシーといいことずくめ。かつてミニトマトの消費が爆発的に増えたのも、そのせいと言われています。

ニコン

もともと、ミニトマトも大型トマトも同一品種。飛行機の機内食用にトマトを品種改良したのがミニトマト。いまや、新参者のはずだったミニトマトも野菜の需要番付では、ご本家に勝るとも劣りません。もっとも、ミニトマトは重量が軽いので出荷トン数で言えば不利は免れませんが。

露地のレタスも霜に負けず元気に育っています。キャベツや白菜のように「寒さ」にさらされると糖度が増すのかどうか、やはり生で食べるので、ミニトマト同様素材の味が決め手になります。

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リベンジ
ぐずついた天気が続いたのですが、久しぶりに朝から晴れあがりました。
先週、きれいな青空の雪山を撮り損ねたので、午前中に撮影。しばらくは天候が持つようです、あの11月の雪は何だったのでしょうか?

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こちらが一切経、背後にあるのは雲ですが、あの辺りに噴煙が見えることもあります。今年は初めには、噴火警戒レベルの話があって、蔵王同様、観光客や登山者の入山に懸念が生じたのですが、箱根のような騒動はなかったようです。
2011年に南会津の阿賀野川水系などに大雨被害があったのですが、どうも福島は「東日本大震災と原発事故」から見ると、何事も小事に見えてしまい、当事者では相当の被害が生じているのかもしれませんが。

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こちらが、一切経の南側にある「吾妻小富士」。さらに南に目を向けると安達太良の連山が目に入ります。春になると残雪がウサギ形に残る「ゆきうさぎ」の出る山です。

今日の「日本農業新聞」の1面は宮城県の記事。特定廃棄物処分場建設の調査を宮城県加美町が拒んでいること、環境省の調査に対して住民は実力行使で、にらみ合いのまま今年も越年とのこと。理由は「風評被害」特定廃棄物処分場とは、比較的濃度の高い放射性汚染物質を保管する処分場。そんなものを作られたら風評被害で地域農業が成り立たなくらるとの趣旨です。
福島県では先月富岡町で、民間のごみの処分場を国有化してそれに充てるとのことで手続きに入りました。福島県の場合県内を覆う風評被害に比べれば、枝葉末節と言う開き直りか。いずれ、無ければ収束も復興も進まないのですが、必要とされれる各県とも、進捗は宮城と似たようなものときいています。
きれいな自然を見るたびに、住民エゴとも言い切れない実情があるだけに何とも複雑な心境になります。


よく分かりませんが
アメリカの銃乱射事件、怒って退席した郡職員が銃を乱射17人が死傷と言うニュース。カリフォルニアでの出来事、以前この辺りに行きましたが日本では町村を束ねるだけの区分である「郡」が向うでは、独立した自治組織のようになっています。したがって郡役所のような建物もあります。アメリカ全土がそうなのか、この地域特有の機構なのかはわかりませんが。

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明け方まで雨が降り、上がった午前中には虹が。大地を跨ぐとは行きませんが、確かに空に向けて7色の柱が立っていました。
やはり回復した青空を見ながら移動中、今度は祭礼の帆旗が目につきました。普通は春.秋のお祭り、いくら旧暦で数えても「師走にお祭り」とは、と通りかかると神社の祭旗と違います。

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風にはためく旗の文字を見ると「南妙法蓮華経」、お経ではありませんか。これは神社ではなくてお寺の行事、何と紛らわしい。
インドから大陸を経由で日本に入った「仏教」、日本固有の土着信仰から始まった「神道」、出だしは全く違えど1500年の間に融合したり分離したり、お互いに影響されていても何度不思議もありませんが。

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報道によると、カリフォルニアの銃乱射も、射殺された郡職員夫婦はイスラム教徒で、ISとの関連も取りざたされるとのこと。全く宗教がらみは、傍からは理解できません。
日本では12月の声を聞くとクリスマスモード、コンビニでも店員はサンタの帽子です。この上キリスト教も融合かというおなじみの季節になりました。敬虔なキリスト教徒・イスラム教徒からは「節操がない」と見られるのでしょうが、宗教上の見解の相違から「殺し合い」になるよりはマシのような気がします。もっともどの宗教でも一般的に信仰されている宗教であれば、カルト分子はごく一部なのでしょうが。
元総理と総理
すっきりとした青空に、雪に覆われた吾妻連邦がくっきりと浮かんでいました。移動の途中で撮影が出来ず、後ででと思いつ
時間が経過すると、曇りの中に覆われて肉眼では雪の様子が分かるもののレンズ越しでは不鮮明になってしまいました。

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くっきりと鮮明な形で現れ、国民の期待を受けながら何か霞んで沈み込んでいったような「民主党」政権のようなものです。雲が晴れればまた鮮やかに復活してくれればいいのですが。
菅元総理が安倍現総理に、「原発事故後冷却用の海水注入を一時停止させた」と言われたのは名誉棄損にあたる、として慰謝料と謝罪も求めて裁判を起こした件、地裁では現総理に言い分を認め「大筋のところ誤りではない」との判決。
被災地以外のところで、どうでもいいような係争が起きていて当事者が事故当時の総理と現総理と言うのも原発事故と事後処理に係る人災ぶりが浮き彫りになります。

菅氏の事故当時の一貫性を欠くような、指揮命令系統は地裁も認めた通りで、止まらず後任の野田前総理も、事故当年に「収束宣言」を出すような拙速さ。爆発後の散乱もそのままに、原子炉の状態も確認できないまま「収束」では逆に事故対応の姿勢が疑われます。さらに政権が代わって現総理も、汚染水ダダ漏れの状態で「アンダーコントロール」と言ってしまい、オリンピックを呼びたい一心と言ってしまえばそれまでながら、何とも不信の連鎖のように歴代総理が並んでしまいました。

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遠景は雲で霞んでも、接写した冬の花はきれいに撮れました。政治家は八方美人では務まらず、「叩かれる」のも仕事のうち、大いに同情すべき存在ではあるものの、政治家不信・原子力行政不信・原発事故対応不信・福島不信に連鎖してくるところがも待ってしまうところです。被害者であるべき福島の産業が一向に上向かず「相変らず困っています」と言うのが、食品関連など大方の声。
遠景ばかり望んでいても仕方がないので、近いところから頑張るしかないのですが。

月を跨ぐと
12月になると同じ風景でも印象が一変します。

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古刹の山門の脇の柿も、「採られることなく落ちののだろうな」と思う時期になりました。
奈良の「柿食えば」の俳句がありますが、当地方でも柿の産地です。奈良と違って干し柿原料ですが、晩秋・初冬にかけて柿の実が風景になじみます。

俳句と言えば高校生俳句大賞で、福島市の高校生が最優秀に入りました。
そのうちの1句(3句とも原発事故関連ですが)
「フクシマに柿干す祖母をまた黙認」と言うものがありました。飯館村の全村避難で福島市にいる高校生だそうです。
「福島の柿は全部食えないのか」と言うことにもなりかねませんが、何度も書いているように干し柿の場合は放射性物質の濃縮リスクが高まります。流通している「あんぽ柿」は放射能チェックを受けたものですので追記します。

それにしても、飯舘村辺りは「干し柿出荷する」というより自給用、家の柿がたわわに実り、脱渋しても食べ切れない分を「冬の保存食の干し柿」にする、と言う食文化を指している句で、避難を拒む飯館の老人が「百まで生きられるわけでもなし」と言った言葉とダブります。

実際「高額の慰謝料」と言う向きもありますが、福島県内では「営業損害」「資産価値の目減り」に泣き寝入りのケースも多く、「ブランド毀損」「のれん代」に至っては音沙汰なし、永年の努力や労働に蓄積に現在のところ何の補償もありません。

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冬の川面は短くなった日差しを映して、きれいに輝きますが、放射能災害の後遺症はきれいに流れ去って行かないようです。
後遺症どころか「実害の最中」そんな怨嗟も聞こえてきそうです。

復興住宅
避難者が仮設住宅で過ごし、戻らない・戻れないとなると新居を求めることになります。仮設住宅に残る人も出る人も、個別事情とは言え複雑な心境での別れで、わだかまりも残ると「新聞」は伝えてきます。

新聞も、「避難者の心情を理解しない東京電力の対応」から「支援に頼り切りの避難者もいる」に論調も変わってきました。2度目の検診(2まわり目)でも新たに「甲状腺がん」が見つかりました、福島医科大は相変らず「原子力災害の影響は考えずらい」との公式見解を崩しません。事故後の原発事故の影響なら症状が出るのはもっと後、と言うことでしたが5年近く経過しているので、もっと丁寧な説明が必要です。「福島は捨てられた」という刹那的な見解・情報が行き交う要因にもなっています。

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冬の間に果樹が切られ、更地になり一夏雑草が繁茂していた一画、工事が始まりました。「復興公営住宅」と看板が立ちました、仮設を出たり借り上げ住宅に住んでいた避難者の新居になります。戸建も集合住宅かも分かりませんが(おそらく両方)、帰還をあきらめた方々の「新天地」になります。

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避難者と一口で言っても、避難区域によって賠償や補償の条件も一様ではなく、戻れない要因も「仕事」「教育」「イメージ」さまざまですし「商店経営」など戻っても事業が成立しないケースもあり、こちらで再就職した場合もあるでしょうし。

「ハコを作ったから一件落着」とは行かない問題も多く存在します。「支援に頼り切りの避難者もいる」では収まらない「避難者の立場」もあります。
この様子だと、安定した生活に戻るには、あと何十年か必要になります。
師走のりんご
12月の声を聞くころになると、りんごの「ふじ」の収穫も佳境に入ります。「もも」と違い収穫後の保存性も高いのでとりあえず収穫、選別して順次出荷、リンゴ畑も随分空てきました。ことに今年は、夏前半までの「生育の進み」がその後も持続し万事早目の生長・収穫になっています。

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生理落果か風の影響か、11月上旬に落果がありました。穴を掘って埋めたり地表ものもを乗用の「草刈り機」を使って粉砕したり、処理は様々です。
ともかく大きな災害ではなく、落ちないことには越したことがないものの「想定の範囲内」。

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見れば取り残されたりんごが一つ。小ぶりですがきれいに色づいています。福島は秋になっても青森や長野ほど気温が下がらないので、もっと北国産ほど真っ赤になりません。その分春の葉の茂りや、結果が早いので太陽を浴びている時間が長く「糖度」は高くなるのですが。

このくらいのサイズだと、「S」か「SS」か、贈答物の大玉が好まれる嗜好には合いませんが、そのままかじる一人分の食べきりサイズにはちょうどいい大きさ。それら、多様な需要を見過ごして、大玉・贈答需要にシフトしすぎたりんご業界の苦境がそこにあるのかもしれません。