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有機農業
有機農業に関するデータの整理、産業統計の中になかなか出てこないのが有機農業。もっとも当方も講演などのマクラで「産業競争力で後れを取っている農業で、その中でも産業ともいえないようであった有機農業」とよく使っているため、それも当然と言うか、文句の言えた義理でもないのですが。

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秋たけなわ、黄金色の穂波の向こうに「ライスセンター」。ライスセンターに書かれた文字を見ると昭和50年代の事業により建設されたもの。築30年以上、当時は先端的な施設だったのでしょう。当時とはコメの位置付けもJAの役割も相当変わり、さらに行き詰まりを見せていた「TPP」もまた動き出す様子、さらに農業が変わって行きます、いいのか悪いのか。

有機農業のような特殊な分野ではともかく、農政=農協(JA)であった時代が長く続きました。今年の2月の農協法の改正によって農協支配に幕とも言われていますが、農業者とJAとの相互依存はそう簡単に崩れるものではありません。相互依存と書きましたが「特殊な関係」と言い直した方がいいのかもしれません。特殊な関係とは「もたれ合い」だったり「憎悪」だったり、強固な信頼関係でないことは確かです。

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ネットでデータを取れるようになっているのも事実ですが、やはり多様な意見やデータの裏をみるには「書籍」によるところが大きくて、アマゾンや書店に頼ることも多くあります。放送関係のアーカイブも利用しやすくなりましたが相当な時間が必要です。

今日書店に見つけた新書、JAの御用学者ではないことを強調していましたがタイトルを見れば「?」。福島県の中小企業ともかんれんして6次化を進める助言と言うプロフィールもありましたが正直私は存じ上げませんでした(勉強不足と言われればそれまでですが)。
JA悪玉論には全面的には組みしませんが、農政=農協であったことは紛れもない事実、とすれば日本農業の衰退に責任がないとは言えません。で、JA組織がその衰退に歩調を合わせてきたのかと言えば、JAバンクやJA共済と事業を発展させてきたことも事実、それを立派と見るのか法律の穴を抜けた自己保身と見るのか評価の分かれるところです。
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ホームセンターと街の肥料屋さん
福島県でもJAの広域合併が進んできています。県内4JAに再編、調整が難航している一か所を除き来月三か所の合併仮調印。非農家や農家でもJAの役員でもしていないと関係なさそうな話ですが、経産・共済・信用と各事業規模を考えると下手な上場企業を超える経営規模になります。
農家の利便性を考えると経営規模を追うのも「如何なものか」と思うのですが、国内農業の存亡を考えると避けて通れない道なのだそうで、となると経済的な合理性を追うTPPに全面的に反対するのは、少々整合性に欠けるのではないかとは思いますが。小は踏み潰すがもっと大が現れると困る、理念はともかく実状としては分からなくはありません。

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そのJAも、ひと頃ロードサイドの農業・園芸資材店に客を奪われ、さらにホームセンターも農業用品を取りそろえるようになりました。
それらに対する自営ならぬ自衛策はJAを通して出荷するものはJAオリジナルのものを使うこと、当たり前のことですがこれとて裏をかく猛者もいたとのこと。

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JAと大手資本のホームセンター、「冷戦時の米・ソ」と言うと例えが古すぎますが2大勢力にはさまれながら独自で頑張る「街の肥料屋さん」もいます。食味計による米(こちらはアメリカではなくライスの方)のデータをみると肥料選別と使う時期が期目細かく指導ができると言います。
大型合併の前に地域のJAが果たすべき役割はこのようなことなのでしょうが、いかんせんカネになりずらいことはやらない様子。事業競争力の向上と言えばそれまでなのでしょうが、少々競争力の方向性が違うような気がします。
牛丼値上げ
例の大雨以降、秋らしく雨の晴天が交互に来ます。移動性高気圧と低気圧が交互に来ます、何かショーと化しているテレビの天気予報コーナーも腕の見せ所と言うか、エンタと情報の境目のような手法のなかで「差別化」をはかる手立ての争いが、なかなか見ものです。

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なにか、難しい言い方になりました。おなじ「天気予報」を聞くのなら、「きれいなお姉さん」「面白いおじさん」普通のおじさんなら周りがいじって面白く仕立てる、このような手法の天気予報も「正確率」を競わなければなりません。もっともリアルタイムで正確な情報を知りたければネットがいちばん早いのですが。

飯坂電車も青空と黄金色の水田のなか、元気に走っています。この車両は東急電鉄の無償払い下げとか、マイカー以外に競合する交通機関もなく事業経営としては意外に安定しているのかもしれません。もっともバス部門が路線バスは自治体の助成がないと成立せず、貸切もバスを連ねて団体旅行と言う時代では既になく、小泉内閣当時の規制改革により貸切専門のバス会社や運転手つきレンタカーが林立して「部活の移動」「イベントのシャトルバス」などはコストが安いそちらに移行、長距離の高速バス以外はこちらも経営は大変です。

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ワンコイン以下で食べられた「牛丼」がアべノミクス以降値上げがありましたが、ここにきてまた大手3社とも値引きに踏み切ったと言う報道。麻薬に手を染めたと言うのは物騒な言い方ですが、やはり売上回復の特効薬のディスカウント戦略に戻らざるを得なかったか。
いずれ、牛肉は外国産ですから一時より多少円高に振れているのですが、ある程度長期の契約で調達しているので、すぐにメリットとは行かないでしょう。
コメは原発事故以降低価格が続いている「福島産」に目をつけたチェーンもありましたが、低価格路線を支える福島産というのは復興とは逆にマイナスイメージ以外の何物でもありません。からりとした青空や黄金色の水田にも「憂鬱」が晴れない日が続きます。
秋刀魚と安保法制と原発事故
さんま・安保法制・原発事故、三題話のようです。ツイッターで「蓮舫」議員がさんまの写真ツイードしたところアタマが向かって右になっていて、これは正しい魚の食べ方ではないと指摘され、さっさと写真を降ろしたとのこと。「どう食おうが個人の勝手」の書き込みもあったそうですが、偉くなるとおちおち写真も撮れません。

蓮舫議員と言えばこの前の日曜の朝から、自民党の稲田朋美政調会長と安保法制の決着についてバトルを繰り広げていました。日曜と言えば未明にラグビーで南ア相手に歴史的な番狂わせ勝利をした日で、国上げての祝勝ムードかと思言えば安保法制に議決に関わる「民意」とか「セクハラ」とが「妨害」とかを題材にした、少々ヒステリックな女性議員の争いに思わずチャンネルを変えてしまいました。
とはいえ、安保法制も重要なテーマなので一言。蓮舫議員は自民党の強行採決を避難し、国会を取り囲んだ反対デモの盛り上がりを強調していて、反対に稲田政調会長は十分な審議の時間は確保しており、反対勢力の変なパフォーマンスは心外だと言う趣旨です。
議員数から押しても最初から採決の趨勢は目に見えており、民主党などの反対運動も目立ちたがりの域をでないものでした。反対デモも民意ですが国民の最大の民意は選挙での投票行動であって、端的に行ってしまえば先の「参院選」と「総選挙」で自民党に勝たせ過ぎたのが安保法案成立の唯一・最大の要因です。
では、国民が安保法制を念頭に置いて投票したかと言えばそう単純な話ではなく、それ以前のねじれ国会で、反対のための反対が相次ぎ、何にも決められない現状が続いたこと。また結構期待を込めて発足した民主党政権が、何とも無残な終わり方をしたと言うこと。
稲田政調会長の勝ち誇ったような(勝ち誇ったのですが)上から目線も違和感がありますが、蓮舫議員の「民意を無視した」と言う主張も、もともと民意からそっぽを向かれたのは民主党でしょう、と言いたくなるところです。

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いわき市から「秋刀魚」が送られてきました。蓮舫議員のツイードを知る前に俯瞰で焼き魚を撮ったのですが、ちゃんと頭は左になっていました。
自民党の最大の幸運は、原発政策を推進しながら原発事故当時に政権になかったことかも知れません。事故直後の首相や政権のあたふたに加えて、後継総理も無理やり収束宣言をしてしまった。こうなると国民は政権のことなど信用しません、旧ソ連下のチェリノブイリではあるまいし「マスコミ」が第4権力と言われる国情に、net.が誰にも抑制できないほどの情報を発信しています。

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いわき市の小名浜港は全国でも有数の水揚げ量を誇りながら、秋刀魚発送用に発泡スチロールケースには「北海道・青森沖太平洋」の印字、福島沖ではありませんとわざわざ書かねばならない事態です。
風評被害払拭に期待を込めた、観光キャンペーン「ディストネーションキャンペーン」も思ったほど宿泊者数が伸びなかったと言う報道。同じ国内旅行なら延伸した新幹線で「古都金沢」の思いだったのでしょうか。
ダダ漏れの報道を無視して「汚染水はコントロールされている」とブエノスアイレスで大見得を切ったのは現政権ですが、何か日本を取り巻く綻びが原発事故から始まったような気がします。

今年のコメの出来
今年も稲刈りが始まりました。気になるのは「猛暑」あり「長雨」天候下で栽培されたコメの出来。天候はなかなか人の力では操作できません、できるのは土壌管理と栽培管理。5月6月上旬と雨は少なかったものの目立った渇水はありませんでした。

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今年私が技術のご指導をさせていただいた農家、今年初めて取り組む水田でしたが(自分で言うのもなんですが)見事な出来、穂の長さ(専門用語でいう1茎当りの粒数)が全く違います。
米の収穫量は株数(単位面積辺りどれだけの株があるか)×分けつ数(株からどれだけの茎が出ているか)×粒数(茎からどれだけの米粒が実ったか)×粒重(米粒の大きさ)で決まります。

この水田は本ブログでも何度か紹介しました、有機肥料で効きが遅い分も割の水田から初期生育で劣っていました。7月下旬で追いつき8月で逆転します。

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7月までははるかに生育が勝っていた周辺の水田より穂の長さ、重量感が全く違います。稲作はコメの収穫、ワラの生長ではないとこの時期になるとつくづく思います。

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そして稲作技術の決め手は今にも倒れそうなイネ、このへんの技術の解説は難しいのですが、イネが倒れるのは穂が重いのではなく節の間隔が長くなって折れやすくなることイネは竹などと同じ科本科植物、節があって成長します。
肥料を少なくすると節の間は短くなり、米は倒れませんが栄養が「実」つまりコメに行かず実りが少なくなります。逆に実に栄養を届けようとすると茎や葉が徒長して倒れてしまいます。この紙一重の栽培がコメ作りの真骨頂です。
秋彼岸
彼岸の中日が連休の最終日。敬老の日があって翌週が「秋分の日」と言う永年の習慣が身に着いていて、どうも落ち着きません。

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人間が勝手に作ったカレンダーはともかく、田の土手には彼岸花。緑と黄色が混在している9月の風景に「赤」が文字通り色を添えます。
色を添えるといえばコスモス、コスモス街道のように道端に植えられています。コスモス街道と言うのも40年前からある形容だそうですが、以前のコスモスはこんなにカラフルに多様な色があったか?と思いながら見ています。

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花のことは詳しくないので曖昧な素人の記憶と言うことで失礼します。

そしてこちらは本業に近い稲の生育、ようやく稲刈りが始まりました。今月10日11日の関東・東北豪雨の水も引いてきてようやく機械が入れるようになりました。コンバインも大型のものになると戦車のようなもの(さすがにキャタピラーはゴム製ですが)、地盤が軟弱だと作業性が劣り作業後も地面が隆起したり掘れたり、あとの整地が大変です。

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さすがに手刈りは見かけませんが、バインダーでパタパタと刈り倒す稲刈りも所々で見かけます。しかし、見かけなくなり写真に収めたのが「棒掛け」とよばれる稲の乾燥方法。コンバインでは稲を刈りながら脱穀(稲の穂とワラを切り離す)して行き、籾のみを袋に入れて乾燥機で強制乾燥をします。
棒掛けは昔ながらの乾燥方法、風を通して水分を抜くのですが、これから寒さに会って乾燥が進むともいいます。

稲穂も見ながらの「乾燥」ならぬ「感想」はまだ次回に。
秋の盛り
秋の彼岸、金木犀も散ってすっかり秋。残暑も今年はそう厳しくありませんでした。

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先月の、月遅れのお盆以降、猛暑一転長雨と冷夏。相当進んでいた稲の生育も突然の冷夏でブレーキがかかり、この分では秋の彼岸が稲刈りのピーク化と踏んでいましたが、その長雨と先日の台風で水田の地面が緩んだせいか、まだ本格的な稲刈は見かけません。
対照的に、りんご等果物は生育の前倒しが進んだままで、ジョナゴールドなど中生系のりんごまでもう黄色くなったとのこと、全く気象と植物の生長の関係は複雑怪奇です。

しかし、空の色と雲の様子は秋ただなか。いつもは秋の長雨の後に現れる10月の晴天のような青空です。春桜の後を彩る街路樹のハナミズキ、気が付けば赤い実をつけています。あまり目立たないのは葉をつけているからか、冬とも違い未だ食料がふんだんなのか野鳥も来ません。

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秋の空と雲を背景に、楓も色つきました。夏の強烈な日差しから少し淡泊になった秋の日差しが、独特の色を形成しています。
人間の視力が色を見分けられるのは、赤と緑と青。後の色彩はこの3原色の組み合わせだそうです。色といってもプランターインクのような3原色ではなく、人間の視力に届くのは光の3原色。分光器で分けると全ての色が、光の3原色の配合であることが分かります。現在は大学の工学部(正確には大学院の研究科ですが)と、この技術を用いた研究開発に取り組んでします。
電力の鬼
福島県での今回の台風被害は雨による土砂災害と中小河川の氾濫。2011年も大雨の年でした、この年は東日本大震災があって水害の記憶は薄れがちですが、西日本で長雨で農産物の不作会津地方を流れる阿賀野川なども氾濫して水力発電所に被害が出ました。ようやく去年あたりで水力発電の機能が回復したほどです。

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福島県でも過去の水害と違い、阿武隈川の増水よりもこれに注ぐ中小河川の浸食や氾濫がありました。ここは阿武隈川の支流、通称「滑津川」。たまたま19日の土曜日に通りかかり道路と対岸の土手の浸食、壊れた堤防や浸水した果樹園や水田を撮影しました。

ここの集落、この現場のごく近い場所に東京電力の社長・会長、経済同友会の代表幹事を務めた木川田一隆氏の生家がありました。たまたま同日の夜NHKで放送90周年の企画とか「鬼と呼ばれた男」というドラマが放送されました、戦後の電力事業の再建に尽力し「電力の鬼」と呼ばれた実業家、松永安左衛門の物語です。
木川田氏はこの松永翁後継者筋です。一話完結だったので多くの伏線は割愛されたのでしょうが、ストーリー的には戦争遂行のために国内の電力事業を一本化した日電といわれる国家運営会社を日本で9ブロックで地域電力会社を立ち上げ、民間で運営させると言う松永案と、日電温存派の争い。松永は阿賀野川の上流から猪苗代の至る首都圏に比較的近い水源を利用して発電事業をすれば、電力供給は十分間に合い事業として成立するとの目算。松永案は一旦退けられますがGHQはこれを採用し結局民営地域事業会社で戦後の電力供給体制が出来上がります、これにより高度経済成長を支えたと言うのが筋。

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そのあとに続き実務を取り仕切ったのが、木川田氏や平岩外四氏など前後の財界の大物と言われれう人たちですが。木川田氏は原発の導入に舵を切りました。福島県出身者として何とも皮肉な巡り合わせです。阿賀野川などの電源開発で福島県の豪雪地帯南会津地方は経済的に潤って、やはり主たる産業が1次産業であった相双地域もそれに続きたかったのでしょう。先のドラマでは通産大臣の池田勇人も登場しますが、当時の通産省も東電も原発のリスクなどおくびにも出しません。プラントの設計や導入はGE社、アメリカは絶対であり信頼していれば問題ないと言うのが昨今の安保法制と被ります。

考えてみれば、松永翁の発案がなくともGHQは戦時の国力増強のために作られたような国策事業は解体しそうですし、その後の国鉄や郵政を見ても時代の流れ的には「分割民営化」は進んだのでしょうが、今の放射能災害は収益重視でリスクを低く見積もった民営事業化の負の部分が顕著に出てしまいました。その後始末を国の差配で行うと言った「復旧・復興」も進んでいるのか、いないのか。
ドラマの設定は昭和25年あたり、松永のライバル役三鬼社長は戦争が終わってから4年たったと言うことを強調していましたが、東日本大震災から4年半の経過。除染作業は相変らず行われていますが、国家戦略と企業の役割、リスクの管理と収益性、再生支援と被害者賠償。どうも、こちらは4年たっても基本的な問題点は積み残しのままのような気がするのですが





秋祭り
部落の小さな祭礼、本当は夏祭りなのですが、今年は閏の月の加減で9月半ばにずれ込みました。そのような意味で秋に行われる夏祭り。
今や地域の祭礼も、旧暦もあれば新暦もあり。新暦でも土日でないと、とてもやれないと土曜日曜に固定するようなものも増えています。
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集客や信仰も大きな目的ではなく、連綿と伝統行事として続く部落のお祭りも今や絶滅寸前「当番」だけが御開帳をしてしばし見守るというもの。ただし、相手は神様なので、灯明は灯しお神酒と塩とお米は供えます。

この日のお祭りは思いの他盛況、台風の後の片づけの手を休めて被害状況や善後策の情報交換。ここの神社からも携帯3キャリアの基地局のアンテナは見え各戸に光ファイバーの高速通信のインフラも整っていますが、顔つき合せての情報交換が災害の場合何より重要です。

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この神社とて、急こう配の中腹、石段を上り背後の山との僅かなの敷地に建つのですが、土砂崩れにも鉄砲水にも遭わなかった様子。やしろ背後の何を祀っているかわからないような石の神様も無事に鎮座していました。

このところチリの津波も遥か日本まで届いたようですが、先の東日本大震災の津波。聞くところによると海岸線に祀られた神社はすべて無事、古くからの伝承で津波の来ない場所に神社を建てた先人の知恵と言う報告がありました。
最近の情報では、青森の東通原発近くの地層でも津波による堆積の跡が見つかったと言う話です。現代人の日常や生活スタイルとは別のところで、滅びる寸前の伝承や言い伝え、経験則が先端技術でも及ばない「情報」を持つこともあるようです。
もっとも、先端技術を曇らせる「目先の欲」や「都合の悪いことは見ない」など恣意的なことかもしれませんが。
台風の後の日常
早いもので、台風の水害から1週間。福島県内では仮の復旧作業も進んで日常の生活が戻りました。戻った日常が「除染」と言うのも何とも悲しい日常ではありますが。

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もっとも除染も日常の一部のようなもので、雨で相当流出もしたのでしょうが、一度決めた予算と工程は変えるには、また相当の手間ひまとエネルギーが必要です。
アジアモンスーン地帯で火山国で四方が海、気象災害が多い日本では自然災害慣れしているところがあって、危機管理や緊急的な初動も行政システムに組み込まれていて、それなりの機能を果たします。ところが「役所の宿命」と言うか、前例のない事態に遭遇すると何とも身動きがとれなくなります。
その例が原子力災害、「絶対安全」で危機管理自体がタブーであったため、初動も中期・長期対応も全く杜撰。

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福島県の基準地価の上昇率は全国一、避難者の不動産購入需要や除染・復興事業などで事業が好循環して県内景気を支えているからとのこと。避難者が土地を買うと言うことは、「もう帰りません」の意思表示で、となると旧避難地域での商業サービス業が成り立ちにくくなります。公共事業の仕事など一過性のもので、歴史的にも「金の切れ目が縁の切れ目」で終わってしまえば元の木阿弥になることが多く、除染に立っては事業の後「インフラが残る」ような仕事ではなく逆に何も残らないようにするのが業務。
そこで身につけたノウハウにしても、今後はそのような事が無いようにしなければなりません。何とも悲しい地価上昇、そして福島の繁忙です。

ぶどうの季節
大雨の被害も何となく一段落、あちこ崩れたた土手や浸食された道路に、赤いカラーコーンや黄色の通行止のハードルは見受けられますが、週末を挟んだこともあって一応日常の生活に戻りました。

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大雨対策で忙殺された数日の間にも季節は進んで、気が付けば「巨峰」「高尾」大型ぶどうの収穫時期。桃が終わってりんごの主力「ふじ」は晩秋の品種、初秋の産品としても貴重な品目です。

今回の大雨は、飯館村や浪江の津島地区など避難区域にも降りました、飯舘の除染廃棄物を入れたフレコンバックも流されたようで集めた高放射線物質も再び散らかってしまったことになります。線量が低い地域で散失して汚染が広がったわけでもないので、そのの点は救いですが全国紙に黒のフレコンバックの写真ごと載ると、やはり印象は悪くなります。

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さて、今年の「ぶどう」。春から気象の起伏が大きく今回の大雨は成長後の雨だったので品質に与える影響は少ないのですが、その前の低温長雨とそのまた以前の超猛暑、管理するには大変な年のようです。

夏の桃や晩秋・初冬のりんごのように、ギフトシーズンの産品ではないので「おいしいものを自分で食べたい」との需要をどう掴むかが販売の決め手になります。永年培ってきた顧客リストが原発事故で「振り出しに戻る」に近い打撃がありました。
一房づつ丁寧に梱包して、土壌有機物、微生物の活用を説明しながら新たな顧客作りのまだまだ途上です。

爪痕 2
雨台風がもたらした大水が引きました。残ったのは土砂と道路の崩落、浸食などの土木被害。
茨城県常総市がテレビに出ずっぱりです。常総と言えば高校野球で有名な常総学院の地元かと思言えば、常総学院は土浦市で常総市はもっと内陸側、合併前は「水海道」この地名なら多少馴染みがあります。常陸と下総と言う旧国名から採ったのでしょう、確かに千葉県に近い場所です。

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その千葉県近くから鬼怒川上流の栃木県、岩手県に近い栗原市まで広範囲の被害になりました。むろん、その間の福島県とて無傷であるわけはなく、家屋流出などはありませんが至るとこで浸水・崩落があります。

いつも庭木などを紹介させていただく実家の方は、背後の山からの流水で店舗と倉庫の間が水路のなってしまいました、もっともここが水路にならず水が溜まってしまったらもっと大変でしたが。倉庫の隣が敷地外の水路、ここもあふれて倉庫に1階部分は浸水、1階には業務車両の冬タイヤ程度しか置いておらずなんとか被害は最小限にとどめられました。
土日にあたった両日は、その土砂の片づけと近隣の皆さんと今後の対応の打ち合せ。

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道路から見下ろせば、川の合流地点は濁流が渦巻いたのでしょう収穫真近の水田にも川砂が上がっています。これも考えようによっては、このような水田が、遊水・緩衝地帯になって生活地帯への直撃を避けているのですが。




爪痕
台風が来ました、北関東・東北に水害をもたらした今回の上陸せずに太平洋上を北上したのですが、南北縦のラインで帯状の雨雲が連続して強い雨を降らせ、普段は水害に縁のなさそうな場所での被害が甚大でした。

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また、この日が9月11日。20年以上前にNYで初めて行った国際貿易センタービル、窓際のビルでブリーフィングを受けていると話の内容より、足元と言うか視線の下を飛ぶセスナ機が気になっていました。
これから何年か後に2機の旅客機でのテロがあり、超高層のツインタワーはいずれも焼け落ちてしまいました。まさに逆上した米国はイラク戦争へと突入するのですが、一旦イラクは制圧したもののISの出現から今回のシリア難民と、何か解決しきれない負の連鎖をはらみます。
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それから3.11が来て、ちょうど半年目が9.11。あれから〇年半後と、3.11の補完のように使われる何とも奇妙な日にちになりました。
2015年9月11日は東日本大震災から4年半、その特集やそれに沿ったシンポなどが続くその日の新たな水害。

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山に降った雨は小川や水路では飲みきれず、道の上を流れています。これで原発事故にまつわる一連の放射性物質や風評も流れてくれればいいのですが。流れ出た流木は河川の橋に掛かり橋はダムのように水圧を受け止め、水のひいた後は橋の役割は止めていません。
毎日ここを渡る人に聞くと「壊れたら直せばいい」といたって冷静です。そのように割り切った方が、爆破テロや原発事故のように負の連鎖を続けるよりも格段ましかもしれません。


台風災害
台風の大雨が北関東で猛威です。河川の氾濫、堤防の決壊をテレビではライブで伝えていました。

余波は多少当方にもありました、もちろん福島でも大雨です。今年は比較的倒伏が少ないかと思われた水稲も、渦巻くように倒れています。風は吹かないので雨の重みか、まさに自然の力です。

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今日は実は首都圏の消費者と交流会の予定。梨狩りをしてもらいつつ、大震災の被災地の状況も説明しようとしていました。日程的には昨日気仙沼泊、本日南三陸町を視察して午後福島に寄っていただき、昨今の状況を聞いていただいて意見交換のはずでした。

果樹園に隣接する農家さんの広間をお借りして準備は進めていたのですが、何せこの情況。ぼやぼやしていると神奈川まで帰れなくなりそうな事態に、泣く泣く中止。

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せっかく準備したのに、この情況となれば仕方がありません。栃木・茨城、東北道を通ろうとも常磐道を行こうとも、東京の手前が水浸しでは如何とも仕方がありません。

こちらも出迎えるはずだった関係者で、ひっそりと情報交換会。準備した梨がおいしかったのが救いです。

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「わくわく農業クラブ」会社などをリタイヤして、セミプロのような農業をしている皆さんの圃場も見ていただきたかったのですが、産品だけ宅配便でお送りすることにしました。放射能災害に立ち向かう「息吹」のようなものは伝わるでしょうか。
ご主人と死に別れ、故郷近くで悠々自適の趣味の農業を営なまれている女性も「孫が来ない」と言う寂しさの中で生活されていました。除染はしたし、線量もこれだけと説明しても「嫁が政府と東電は信用できない」と言うのだそうです。「それはそれでもっともなんだけど」と言う言葉にみんなでうなずかざるを得ませんでした。


秋の雨 2
停滞する秋雨前線に台風が2つ、一つは日本列島の東太平洋上を北上しそうですが、もう一つは上陸の見込み。大雨と強風が心配されます。東日本大震災、特に原発事故が絡んだ福島では何かと進まぬ復興にいら立ちが募りますが、自然災害で言えば大雨・土砂崩れ・噴火・果ては竜巻と、ここ数年全国的に災害のオンパレードで、命や生活の場を無くされた方も多く「復興・復旧」は福島の代名詞ではないなと思います。

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うらはらに自民党総裁選は「無風」だったと言うか「無風」にしたと言うか、「勝ち馬に乗る組」が多かったようです。少し色付き始めた「りんごから滴る雨粒は野田聖子女史の悔し涙」か。

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アジアモンスーン地帯、火山国地震国の日本は「気象災害」は与えられた宿命のようなもの、建設・土木技術や危機の察知で永年折り合いを付けながら生活してきました。
9月8日の報道によると、福島県産の桃の平均単価は全国平均の69%。つまり7割弱、この3割強は金額は経営上は大きく、災害で収穫できないと言うならば出荷費用、梱包資材、段ボールや運賃までかからないのですが(その分、段ボール業者は運送業者の仕事は減ることにはなります)、売っても販売単価が上がらない場合での減収は、コストは通常通り掛かって収入がさらに圧縮されると言う2重の痛手になります。
天災はともかく大変ですが、原発事故がもたらした「風評被害」の人災の方も止む気配がありません。
秋の雨
2.3日の小康状態を挟み、また冷たい秋の雨です。

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雨に打たれて、芝に葉が積もるにように落ちています。やはり桜、落葉の早い樹木です。樹を見れば緑と黄色のコントラスト、まだ緑の勢いが強い他の樹木を横目にすっかり秋の佇まいです。

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とは言え「楓」の水滴の光る葉も着色が始まり、9月9日重陽の節句をまたず秋のモードになりました。重陽の節句は菊の節句だそうで、さすがに大輪の菊はまだ見かけませんが。

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先日は葉陰に見つけた金木犀の花も、遠目からでも見えるようになりました、この目の画像とは別の木ですが。残念ながら雨だと匂いは漂ってきません。秋分の日まであと半月、夕暮れもずいぶん早くなってきました。いつも間にか、ひっそりと咲く花が秋の山野草の特徴です。9月8日は自民党の総裁選の立候補受付け、勝ち馬に乗りたい人、存在感を出したい人、百花繚乱と言いたいのですが、春の山野草と違って華々しさには欠けるようです。
中山間地等直接支払制度
遥か以前、自民党が盤石で農協が力を持っていた当時でも「猫の目行政」といわれ、年々歳々くるくる変わる農政に「猫も目を回す」と言われていた時期がありました。
その農協、今で言うJAも自民党に捨てられたのか、JAが自民党を見限ったのか、両者に隙間風が吹くようになって久しいのですが(またそこに農水省と言う要素が入り事態が複雑になります)、民主党政権時に「直接支払」という奥の手を使った農業行政を行った挙句4年と持たずに政権を去ったので、何とも当事者の農業者でも理解するのが困難なほど複雑な制度が横行しています。

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「中山間地域とは、平野の外縁部から山間地を指します」 山地の多い日本では、このような中山間地域が国土面積の73%を占めています」「耕地面積の40%、総農家数の44%、農業産出額の35%、農業集落数の52%を占めるなど、我が国農業の中で重要な位置を占めています」
この地域では、平坦火に比べ農業の事業競争力は劣るものの、環境保全や治山治水、生態系の維持など、都市住民の暮らしにも貢献しているので一定の要件を満たした農業生産活動をしていれば、農業生産等から得る収入の他に直接国から交付金が支払われると言うもの。もちろん集落等で協定を結んだもので、直接農家の口座に入るわけではありません。

で、持続的な生産活動の維持のための農道・水路等の維持活動も行われています。あまり人も通らなくなった農道の草刈りです。人が通らなくなった代わりに「我が世の春」がやってきたのが猪、その旺盛な繁殖ぶりには驚かされます。

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トタン、電柵と2重の防御。福島県では野生の猪は食用に出来ません、山林の野生植物を食べるため肉の線量が高くて食用に適さない言うもの、原発事故がこんなところにも影響を及ばせています。

何にしろ事業は事業者のリスク、理由はどうあれ「税金を使った交付金など怪しからん」と言う意見も確かにあります。それを以て「事業者が経営努力を怠る」と言う指摘もあります。もっとも経営努力を怠ると言うほどの交付金が入るわけでもないのですが、目先の利益や経済合理性に拘泥して、取り返しがつかないと言うか企業として実質破たんした東京電力の例を見るにつけ、公益と私欲のバランスの難しさをつくずく感じさせられます。目先の利益ならぬ目先の決算で不正をした東芝はまた上場企業にも値しないところもあるのですが。



振り向けば金木犀
晩夏とは思えない冷たい雨が続きましたが、ここ何日か「厳しい残暑」と言えないまでもそこそこ気温が戻りました。
となると植物は正直で、役目を終えたかとしょんぼりしていた「朝顔」が、幾分元気をとり戻りました。季節外れに咲く「桜の狂い咲き」ならぬ、朝顔の最後のひと頑張り。

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実家の母屋の格子に(おそらく)今年最後の姸を競っています。大正様式の建造物と言うと聞こえはいいのですが、変に新し物好きな祖父や父がサッシやレースのカーテンにしてしまい、子供の頃に在った擦りガラスの窓が無くなりました。
夢二の絵よろしく小ぶりの朝顔の蔓でも這っていると、何とか遠目からは大正様式の名残に見えないこともありません。要は「中途半端に古い木造家屋」ということですが。

夏の名残の朝顔から振り向くと「金木犀」の木。彼岸過ぎから10月にかけてオレンジ色の花と独特の香り、そしてオレンジの絨毯でも敷いたように落ちた花が地面を彩るのですが、「まさか」と思いつつ見上げるとたしかに金木犀の花が。いくら季節が早い今年でもと思いつつ探せば咲きかけの金木犀の花です。

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9月と言えどまだ1週目、何とも早い秋の便りですが、さすがに匂いはまだありません。
母が出入りの植木屋からは、思い切って枝を半分くらい落とせば3年先にはちょうどいい見栄えになると勧められたそうですが「3年も先に事は・・・」と、先端の切り揃え程度で終えたようです。この11日で震災からあっという間の4年半、3年など目と鼻の先です。

秋の空
久しぶりに晴れあがって、そこそこ気温も上昇した谷間のような一日。それこそ、珍しいものでも見るように青空の写真。

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気温が上がったとはいえ、連日の猛暑で悲鳴を上げていた、ひと月足らず前からすると約10℃は低い気温なのですが「人間の慣れ」と言うのも恐ろしいもの。久方振りの青空はすっかり秋の色です。

さて、猛暑と長雨で野菜の出荷が安定せず「高値」のニュース。高値と言っても、きゅうりの場合は昨年の高値の半分程度、マスコミに「オオカミが来た」もそれらなに聞かねばなりません。

では高値でホクホクな農家がいるのかと言えば、またそこに複雑怪奇な「流通」の仕組みがあります。DSC_4163.jpg

まして風評被害の福島県産、品薄の時はそこそこ売れても、物量が豊富になると真っ先に切られる何とも不思議な状況は何とかならないものでしょうか。もっとも、マーケティングの専門家に言わせると「不思議」でも何ともなく、物量が豊富な先進国型の経済で当然すぎる現象なのだそうですが。

早くこのような現象は食い止めたいと思いながら、大学と共同研究。構内の並木にも青空が映えていました。




今度は田んぼの珍客
有機稲作に切り替えた水田を見に行きました。昨秋に、従来水田ではあまり利用されてこなかった「鶏ふん」を利用した堆肥を投入。
その後も、代かき田植え等折に触れて観察をしていたのですが、その後も「順調に育っている」様子は確認しています。
収穫終了後にでも、この件はまとめたいと思っています。

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さて、その水田に行く途中「鷺」が餌をついばんでいました。文献を見ると「稲刈り時には剥き出しになった稲田のカエルなどを狙ってコンバインの後ろを付いてくる姿も珍しくない」とありますが、福島県中通りで見るのは結構珍しい鳥です(たまに見かけます、奇跡的に見たと言うほどではありません)。
しかも、背後は国道4号線。騒音とか人影とかには「動じない」性質のようです。

「動じない」「動じる」と言えば、パクリ疑惑に動じたのか、デザイナーの佐野氏がエンブレムのデザインを取り下げました。著作権の問題は素人が口をはさめる次元のことではないので「どうこう言えません」が、その素人から見ると「無理難題」を吹きかけてきたようにも見えるベルギーのデザイナーの「どうだ」と言う顔が目に見えるようです、と言うよりももう報道されていますが。
佐野氏も「デザインに関しては決して模倣はしていない」としていますが、取り下げてしまえばそれも空虚で「家族」「スタッフ」を守るとありますが、代替えに差し出した「名誉」「プライド」も代えがたいものです。まずは、これもネット社会の恐ろしさか。

最近オリンピック誘致当時の猪瀬都知事がまたマスコミに出るようになりました。「復権」とは言えないまでも謹慎期間は1年半、生活もあるのでしょうが「ミカドの肖像」という文筆業猪瀬氏の出世作が好きだったので、そちらでの復活を期待していたのですが。
先の新国立競技場の見直しなどトラブル続きは、誘致の主役の一人であった猪瀬氏の政治資金絡みの失脚から始まったような気がします。この分では、ブエノスアイレスで大見得を見った「汚染水のアンダーコントロール」も、「実は太平洋上にダダ漏れでした」の修正が出てくるようになるかも知れません。

ネット社会、国や国民を貶めるような意見もいやおうなしに目に入りますが、国民の祭典「オリンピック」は何とか無事に「世界の賞賛に値する」ような形で終えて欲しいものだと思っています


科学的と言う欺瞞
それはそれで、「どうか」とか思うのですが「特定廃棄物処分場」の調査事業を巡って宮城県加美町の住民と環境省が、調査現場でにらみ合いとのこと。住民と言っても町長まで絡んでいる様子で、「特定廃棄物」要は「放射能汚染物質」の集約保管場所の設置や建設以前の「調査」の段階で、町ぐるみで「絶対反対」と必死の抵抗の構図です。

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こちらは福島市内の銀行の駐車場、さすがにアスファルトを剥がしてまで、地下埋設はしなかったらしく、何重かに包んで駐車場の隅に積んである「除染廃棄物」、「なんと危ない」と感じるかもしれませんが近くで計っても線量はそう高くないはずです。

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事故から4年半、自然崩壊と雨などの流出で線量も事故直後よりは相当下がっているのですが、どのような実施工区分けだったのか知りませんが、2年前に除染が終わったような地域の近隣でも「除染作業中」があります。

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さて、加美町の例。発生したものはどこかで処理しなければならず、沖縄振興策同様「迷惑料は払うので」と言う国策で、宮城県知事も「仕方がない」と言うことなのでしょうが、候補地にしてみれば「わが町には何の瑕疵もなく、低コストの発電、つまり目先の金もうけに走った東電の責任の一部をどうして受け入れるのか」との心境だろうと思います。
「然らばどうする」[福島に持って行け」と言う論議も甚だ困るのですが、ここで「識者」「識者もどき」「御用評論家」が持ち出す「科学的根拠」というもの、「科学的に見て周辺に対する影響は考えにくい」と言うフレーズの「科学的」。

加美町に限らず「科学的に生活環境に与える影響大」(そう言って煽る「識者」もいますが)と言うより、いわゆる「風評被害」を最も恐れているのだと思います。汚染物質のある所で育てた農産物、処理施設のある自治体・住民、このようなマイナスの評価が将来にわたって蓄積されることを何と言っても嫌っているに違いありません。
クリーンで低コストエネルギーであり、将来のエネルギーを担う化学技術の粋であった「原発」のなれのはて。安全神話を撒き散らせた挙句、他人に迷惑かけ放題の「現代科学」を見せられた挙句に「科学的なんチャラ」と言われても、自治体や住民は「そうですね」などと言えるはずもありません。
人の心理を科学することを怠って「科学的」もないものだと思うのですが。